薬「虹波」、東京や香川でも投与 ハンセン病療養所で300人超

共同通信 2024年9月4日 21:13
 国立ハンセン病療養所菊池恵楓園に所蔵されている「虹波」=1月、熊本県合志市
 国立ハンセン病療養所菊池恵楓園に所蔵されている「虹波」=1月、熊本県合志市
 国立ハンセン病資料館が所蔵する1947年10月発行の学会誌「皮膚科性病科雑誌」(同館提供)
 国立ハンセン病資料館が所蔵する1947年10月発行の学会誌「皮膚科性病科雑誌」(同館提供)

 戦中戦後に国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(熊本県)で開発中の薬「虹波」を患者に投与していた問題に関連し、同じハンセン病療養施設の多磨全生園(東京都)と大島青松園(香川県)でも当時、計355人に虹波を投与していたことが4日、国立ハンセン病資料館(東京都)への取材で分かった。治療のため投与し、副作用が出たことなどが記載された資料が残っていた。

 菊池恵楓園は6月、1942年12月から47年6月まで臨床試験が行われ、被験者は判明しているだけで472人だったとする中間報告書を公表していた。今回、他の療養所でも投与されていたことが確認された。

 多磨全生園と大島青松園に関しては、同資料館の図書館が所蔵する47年10月発行の学会誌「皮膚科性病科雑誌」に、日本皮膚科学会総会で発表された内容が記載されていた。6月に資料館が虹波関連資料を調べた際に見つけた。

 多磨全生園は「虹波の治療成績」、大島青松園は「らい患者に対する虹波の実験成績」として、それぞれ当時の園長ら2人が報告していた。

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
全国のニュース 「社会」記事一覧