台風10号、天草市付近を北上　熊本県内に29日夜最接近　37市町村に避難指示

熊本日日新聞 2024年8月29日 12:45

台風10号の強風の影響で壊れたバス停の屋根＝29日午前9時55分ごろ、天草市（小野宏明）

　台風10号は29日午前、熊本県内を風速25メートル以上の暴風域に巻き込み、鹿児島県から天草市付近にかけて北上した。熊本地方気象台によると県内には29日夜に最接近し、30日昼前まで暴風域に入る見通し。土砂災害や暴風、高波、河川の増水などに厳重な警戒を呼びかけている。

　台風は29日午前8時ごろ、鹿児島県薩摩川内市付近に上陸した後、水俣市付近を経て午前10時現在、天草市付近を北上した。中心気圧は965ヘクトパスカル。中心付近の最大瞬間風速は55メートル、最大風速は40メートル、中心から半径110キロが暴風域となっている。

　気象庁は天草市と上天草市、山都町、あさぎり町に土砂災害警戒情報を発表した。午前10時までに37市町村が避難指示、8市町村が高齢者等避難情報を出した。全45市町村の計562カ所の避難所に計5207世帯・8181人が避難している。

台風10号の強風の影響で、通行止めとなった天草未来大橋＝29日午前9時ごろ、天草市（小野宏明）

　27日夕の降り始めからの総雨量は湯前町402・5ミリ、あさぎり町248ミリ、多良木町175・5ミリ、山都町173・5ミリなど。29日午後6時からの24時間雨量の予想は、多いところで熊本と阿蘇、球磨地方で400ミリ、天草・芦北地方で250ミリ。29～30日の1時間雨量は、県内全域の多いところで80ミリの猛烈な雨となる見通し。

　29日の予想最大瞬間風速は外海55メートル、内海50メートル、陸上45メートル。29日夕方から30日未明にかけて、走行中のトラックが横転する強さの猛烈な風が吹く恐れがある。29日の波の高さは外海で7メートル、内海で3メートル。外海ではうねりを伴った大しけが続く可能性がある。

　29日の県内交通機関は、JR九州が午前10時以降、九州新幹線を含む全列車を運休した。熊本空港でも全ての発着便を欠航した。高速道路は午前10時現在で九州自動車道の八代以南や九州南自動車道が通行止めとなっている。県内フェリー各社も全便を欠航した。（堀江利雅、上野史央里）

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