不動産相続、名義変更が義務化 10万円以下の行政罰も 持て余す土地は国に引き渡せる制度 承認のハードルは高め【まね得 不動産相続編】
不動産を相続した時には注意が必要です。というのも、これまでは原則自由だった名義の変更が義務化されたからです。過去の相続分にも適用されるので、他人事ではないかもしれません。行政罰が科される恐れもあるので注意です。一方、持て余す土地を国に引き渡せる制度も始まっています。今回は熊本県益城町で事務所を開く司法書士さんに監修してもらい、不動産相続時の制度改正を紹介します。(太路秀紀)
不動産相続① 名義変更義務化、10万円以下の罰も
今年4月から土地や建物など不動産を相続した時のルールが大きく変わりました。知らないままだと「10万円以下の過料」という行政上の罰が科される可能性もあるので、注意しましょう。
これまでは土地や建物を相続しても、法務局で申請して不動産の名義を変更するかどうかは自由でした。その結果「所有者不明土地」が増え続けました。国が公表している推計値では全国で約410万ヘクタールと、九州の面積を上回っています。所有者不明土地では環境の悪化などが問題化しています。
このため、不動産登記法が改正され、今年4月からは土地や建物を相続したと知った日から3年以内に法務局で名義変更の申請をすることが義務化されました。「相続登記の義務化」です。
ここが大事なのですが、この義務化は今年4月より前に相続して、名義がそのままになっている不動産にも適用されます。つまり「昔、土地を相続したけれど名義はそのままになっている」人なども2027年3月末までに申請する必要があるのです。正当な理由なく期限を過ぎると過料の恐れがあります。この際、不動産の名義を確認しましょう。(司法書士・松尾英美監修)
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