もらった側が払う贈与税、いくらまで無税? 生活費の援助は贈与に当たる? 知っておこう「相続時精算課税」 贈与するなら誰へが有利?【まね得 相続・贈与は難しい・後編】
生きている間に財産の一部を他人に譲る生前贈与。以前、贈与と相続はセットだと説明した通り、税制も一体化しています。贈与はいくらから税金がかかる? 生活費を援助したら贈与に当たる? など、基本的なところから学びましょう。実は2024年1月から贈与のルールが大きく変わっています。こちらも踏まえて紹介します。今回も赤塚智哉税理士(熊本市)に監修をお願いしました。(太路秀紀)
相続・贈与は難しい⑪ 贈与は年110万円まで無税
今回からは贈与中心のお話をします。
生前の贈与も1年間(1-12月)にもらった額が基礎控除額の110万円を超えると税金がかかります。注意すべきなのは、あげる側ではなくもらう側(贈与される側)が基準です。例えば父から110万円、母から110万円もらったら計220万円ですので、超過分は課税対象です。
1人の人が年間に合計で110万円超の贈与を受けたら、翌年の2月1日~3月15日に申告と納税が必要です(110万円以下なら申告は不要)。税率は10~55%。高額になるほど税率が高くなります。両親や祖父母ら直系尊属からの贈与と他の人からの贈与では適用される税率などが違います。直系尊属からの方が有利です。
勘違いしている方も多いのですが、両親や祖父母ら民法上の「扶養義務者」から、必要な額の生活費や教育費の援助をその都度受けた時は、贈与とはみなされません。そう、祖父母もです。ただし常識の範囲内ですので、車などを買ってあげると贈与の可能性があります。また、子や孫が使わずに預金や投資に回していたら、それは贈与になります。(税理士・赤塚智哉監修)
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