遺言書、基本は手書き 書き方の決まり 守らないと無効も 法務局で保管する制度も 「相続」か「遺贈」か 表現は明確に 【まね得 遺言書は大切編】
遺言書ってお金持ちだけの話だと思っていませんか? 財産の多い少ないにかかわらず、死後、争いを生まないためには結構重要だったりします。ただし遺言書を残す際には、書き方などさまざまな決まりもあります。法務局で遺言書を預かってもらえる新制度も始まっているので、知っておきましょう。
ちなみによく「ゆいごん」って言いますが、法律の世界では「いごん」が普通です。今回は熊本市の弁護士さんの監修で遺言書(いごんしょ)について紹介します。(太路秀紀)
遺言書は大切① 正しく作成すれば法的効力
遺産を分ける時は遺言書の内容が優先されると紹介しました。「指定相続分」でしたね。遺言書の書き方や残し方には、民法で定められた決まりがあります。今回からサムライ総合法律事務所(熊本市)の大林真悟弁護士の監修で、遺言書について取り上げます。
遺言書は、財産を誰にどう相続させたいかを記して残す書面です。「遺言書なんてお金持ちの話だろ」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。実は家庭裁判所の調停に持ち込まれる案件の多くは総額5000万円以下の相続です。相続税の基礎控除が「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」であることを考えると、税金がかからない程度の相続であっても、もめることが結構ある、ということになります。
遺言書があればそうした争い(「争続(そうぞく)」なんて言いますよね)を避けられる可能性が高くなります。正しく作成された遺言書の内容には法的な効力があるからです。
亡くなる人が家族などへの思いを記すものに遺書というものもありますが、こちらは〝手紙〟です。法的な効力はありません。
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