熊本―台北線、搭乗率好調 就航10カ月、平均86% TSMC進出追い風、県民への助成も後押し
熊本空港と台湾の桃園国際空港を結ぶ台北線の搭乗率が好調だ。昨年9月に新規就航し、今年6月までの10カ月間の平均は86%と高い。TSMC(台湾積体電路製造)の熊本県内進出を契機にしてインバウンド(訪日客)の関心が高まり、熊本県から台湾に向かう観光客への県の助成も、台北線の〝安定飛行〟を後押ししている。
台北線は、台湾航空大手チャイナエアライン(中華航空)と新興航空会社スターラックス航空の2社が運航している。昨年9月は週に7便(往復)だったが、10月、12月と徐々に増え、今年3月からは週12便となっている。月ごとの搭乗率の変動は少なく、いずれも80~90%台で推移した。
このほか、熊本空港の国際路線は、韓国・ソウル線が週に7便、香港線が週に4便運航。いずれも80%ほどの搭乗率で、台北線の方が高い。
「台湾が最重要市場になると見込み、台北線の就航前から手は打ってきた」と県観光戦略部の脇俊也政策審議監。昨年5月には、県内の観光情報を現地で発信する観光レップ(現地代理人)を台湾に配置した。
教育旅行の誘致も意識して県庁内に窓口を開設。学校交流の調整、観光施設の紹介に当たり、3校150人の来熊を実現させた。
県民が2人以上で国際線を利用して往復する場合は1人当たり5千円を補助している。台北線は10カ月で約3千件の利用があった。
熊本空港を運営する熊本国際空港も側面支援。国際線の利用者に、管理する空港駐車場の料金を最大で1台8千円助成している。
熊本の国際4路線のうち、新型コロナウイルス禍の影響で運休が続いているのは台湾・高雄線のみだ。「高雄市とは友好交流都市協定を結んでおり、コロナ禍前も70%以上の搭乗率があった」と県交通政策課の黒川賢一郎課長補佐。県は好調な台北線の増便と合わせて、高雄線の復便の実現を急ぐ構えだ。
ただ、訪日客の回復を背景に、全国に航空燃料の不足が広がっている。熊本空港も影響を受けており、増便や復便は容易ではない。(樋口琢郎)
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