探査機帰還、月の裏側で試料採取 中国、宇宙開発で主導権狙う
【北京共同】世界で初めて月の裏側で土壌などの試料(サンプル)を採取した中国の無人探査機「嫦娥6号」が25日、地球に帰還し中国内モンゴル自治区に着陸した。国営中央テレビが伝えた。試料を分析し月の起源や構造の謎に迫る。宇宙開発は米国やインドなどとの競争が激しさを増しており、「宇宙強国」の建設を掲げる習近平指導部は月の探査を加速して国際競争の主導権を狙う。
嫦娥6号は5月3日に海南省文昌から打ち上げられ、6月2日に月の裏側の南極域にある巨大クレーター「エイトケン盆地」に軟着陸。同盆地で土壌や岩石といった試料を採取した。過酷な環境に耐えられる特別素材で作った中国国旗を掲揚。4日に月面を離陸し地球に向かった。
地球と月の裏側は直接交信ができないため、中継衛星「鵲橋2号」を介して作業のやりとりをした。フランスやパキスタン、欧州宇宙機関(ESA)の機器も搭載し、宇宙分野での国際貢献をアピールした。
中国は30年までに中国人初の月面着陸を実現させ、35年までに研究ステーションを月面に完成させる計画を示している。
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