新種かんきつに抗炎症成分 皮の有効活用に期待、愛媛
![取材に応じる松山大の奥山聡教授(右)と天倉吉章教授=5月、松山市](/sites/default/files/images/newspack/2024-06PN2024061901000182.-.-.CI0003.jpg)
![新種のかんきつ類「紅プリンセス」](/sites/default/files/images/newspack/2024-06PN2024061901000359.-.-.CI0003.jpg)
愛媛県みかん研究所が開発した新種のかんきつ類「紅プリンセス」について、花粉症に効くとされる抗炎症成分「ナリルチン」が間引いた実の皮に多く含まれているとの研究結果を、松山大の教授らが19日までにまとめた。チームの奥山聡教授は「商品開発できれば、本来捨てられるはずの皮を有効利用できる」としている。
ナリルチンは花粉症のくしゃみや鼻水を緩和する作用があるとされ、和歌山県北山村特産の「ジャバラ」に多く含まれることで知られる。チームは紅プリンセスの果肉や間引いた実の皮を分析。皮に含まれる量はジャバラに匹敵することが分かった。
さらに全身に炎症を起こしたマウスに与えると、過剰な反応により神経疾患の引き金になる細胞の働きが抑えられ、脳内の炎症を防いだことも判明。脳の炎症は認知症などを引き起こすと考えられており、研究が進めば、紅プリンセスの成分活用で脳機能低下の予防も期待できるという。
紅プリンセスは高級かんきつ「紅まどんな」と「甘平」を掛け合わせ、みかん研究所が作り出した。ゼリーのような食感に濃厚な甘みが特徴。
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