「城の湯」29年、温泉の歴史に幕  30日に家族湯営業終了 来春サウナで再出発へ 熊本市西区

熊本日日新聞 2024年6月16日 20:19
7月に解体される城の湯の本館=12日、熊本市西区
7月に解体される城の湯の本館=12日、熊本市西区
2022年2月まで営業し、7月に解体される城の湯の大浴場=12日、熊本市西区
2022年2月まで営業し、7月に解体される城の湯の大浴場=12日、熊本市西区

 街中の温泉施設として親しまれてきた熊本市西区上熊本の「城の湯」が、30日で29年の歴史に幕を下ろす。本館大浴場の営業は、新型コロナウイルスの影響などで2022年2月に終え、今は別館の家族湯のみの営業。来春からサウナ専門施設として再出発を目指す。

 1995年7月開業。近くには熊本城や熊本県立総合体育館があり、地域住民に加え、観光客や学生の利用も多かった。しかし、コロナ禍で利用者は激減。建物の亀裂やボイラーの故障といった熊本地震によるダメージも顕在化したため、家族湯だけの営業に切り替えていた。

 「コロナ禍は長期間の休業や利用者の減少で大変な時期だったが、常連さんの支えで何とか頑張ってこられた」と大津雄一社長(34)。常連客の存在を励みに大浴場の貸し切りや、プロレスイベントなどの企画で城の湯ファンの心を温め続けた。

 「癒やしをありがとう」。本館入り口近くには大浴場の終了時に寄せられた多数のメッセージが掲示されている。親子3代で利用していた人、オープン当初から週1回必ず入浴に訪れていた人…。大津社長は「たくさんの人に愛されていた」と感慨深げに語る。

 再出発の舞台となるサウナは、全国的なブームにあり、利用者の要望も多岐にわたりそう。城の湯は、家族湯のある別館をサウナ専用施設にする計画。本館は7月に解体を始め、駐車場にする。現在の駐車場(6千平方メートル)や湧き続ける天然温泉の有効活用も検討する。大津社長は「今まで以上にわくわくし、リラックスできる施設にパワーアップする」と話している。(米本充宏)

「パワーアップする城の湯を楽しみにしていてほしい」と話す大津雄一社長=12日、熊本市西区
「パワーアップする城の湯を楽しみにしていてほしい」と話す大津雄一社長=12日、熊本市西区

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