学校生活「不満」が大幅減 県教委の匿名投稿サイト「スクールサイン」 新型コロナ5類移行や校則見直し影響か
熊本県教育委員会は4日、県立学校の生徒がインターネットを通して匿名で投稿できるサイト「スクールサイン」に寄せられた2023年度の投稿のうち、学校生活への不満に関するものは87件(24・6%)で、前年度の214件から大幅に減少したと発表した。新型コロナウイルスの5類移行を受けた行事の再開のほか、校則の見直しが進んだ影響とみている。
全体の投稿件数は、前年度より90件少ない353件。最も多かったのは「不満」で、不適切な発言や理不尽な指導など教師に関する内容だった。誹謗[ひぼう]中傷や暴力などいじめに関する投稿は前年度比3件減の18件(5・1%)で、このうち14件は投稿を受けて学校が初めて把握した。18件は全て対応済みだという。「悩み相談」は16件(4・5%)で前年度から8件減った。
「その他」は231件(65・4%)、「いたずら」(虚偽の投稿)は1件(0・3%)だった。自殺をほのめかす緊急性が高い投稿は1件あり、県警と連携して解決した。
同日あった県教委定例会で報告した県学校安全・安心推進課は「生徒にとってスクールサインはSOSを発信する重要なツール。2学期以降は投稿が減少する傾向があるので、各学校には年度初めだけでなく定期的に周知するよう伝える」と説明した。
サイトは18年度から導入。県立の中学と高校、特別支援学校の生徒約3万人が利用できる。投稿内容は県教委が把握し、学校と連携して問題解決を図る。(後藤幸樹)
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