平安の伝統紡ぐ炎と舞 「薪御能」始まる、奈良
古都に初夏の到来を知らせる「薪御能」が17日、奈良市の春日大社と興福寺で始まった。平安時代から続く伝統の行事。興福寺を会場とする「南大門の儀」では、観世流能「歌占」を上演した。観客らは薄明かりの中に浮かぶ演舞を静かに見つめた。
「歌占」は、加賀の国に住む里人が父親と生き別れた子供とともに、歌占いをする人を訪ねるという内容。会場では興福寺衆徒によるほら貝が高々と鳴り、演目の始まりを告げた。
薪御能は869年から続く興福寺の法会「修二会」が由来で、法会に付随して演じられるようになった猿楽が起源。各地の野外能の源流とされる。
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