環境相謝罪も患者に渦巻く不信感 「自ら重大性に気付いたか疑問」

共同通信 2024年5月8日 20:49
 水俣病患者連合の松崎重光副会長(左から2人目)らに謝罪する伊藤環境相=8日午後、熊本県水俣市
 水俣病患者連合の松崎重光副会長(左から2人目)らに謝罪する伊藤環境相=8日午後、熊本県水俣市

 「今回のことを深く反省し、皆さまのお気持ちに沿えるよう行政を進めていく」。発言制止問題を巡り、水俣病患者団体メンバーに謝罪するため、熊本県水俣市を急きょ訪れた伊藤信太郎環境相は8日夕、環境省水俣病情報センターの一室で数秒頭を下げた。ただ、患者団体には不信感が渦巻き、同日昼、涙目で陳謝した伊藤氏の言葉は十分届かなかった。

 謝罪の場で、発言中にマイクをオフにされた「水俣病被害者・支援者連絡会」の山下善寛代表代行(83)は、多忙な公務の合間を縫って謝罪に訪れたことを評価する一方、「自ら重大性に気付き、来たのかは疑問だ」と指摘。別の出席者は「被害者のことを考えていれば、あのようなことはしない」と批判した。

 伊藤氏との会談に先立ち、連絡会が水俣市の別の場所で開いた記者会見では、報道関係者ら約30人を前に山下氏が「(発言中にマイクをオフにされた)個人だけの問題ではない。患者全体の問題だ」と訴えた。発言時間を制限された点も「68年間の思いを3分にまとめろということ自体が間違いだ」と声を震わせた。

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
全国のニュース 「社会」記事一覧