<PR>GWおすすめ!二大観光地「天草市と高森町」の特産品が集合 熊本市で交流10周年記念イベント

熊本日日新聞 2024年4月24日 11:09
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天草・高森横軸連携10周年記念「海風山響フェスタ」

 天草市と高森町の住民たちは、熊本県を代表する「牛深ハイヤ祭り」「風鎮祭」に参加し合うなど海と山の交流を続けている。交流をきっかけに両自治体が観光や防災などで連携協定を結び、災害時の助け合いにもつながった。交流を本格化させて10年。両自治体は5月6日、熊本市中央区の熊日本社で10周年記念イベントを開き、交流の軌跡を発信する。

二大観光地 観光や防災分野で連携協定

風鎮祭で牛深ハイヤを躍る天草市の踊り手や高森町の住民ら=2013年8月、高森町
風鎮祭で牛深ハイヤを躍る天草市の踊り手や高森町の住民ら=2013年8月、高森町

 2013年8月の高森町の風鎮祭総踊り。阿蘇外輪山に囲まれた商店街に牛深ハイヤの陽気な音楽が流れる中、天草市職員ら派遣団約40人が踊りを披露した。沿道に詰めかけた住民のほとんどが〝生〟のハイヤは初めて。地元の飯干幸子さん(76)は「踊りの質が違った。一糸乱れぬ姿と懸命さに感動した」と振り返る。

 住民の歓迎ぶりに職員たちも熱が入った。牛深出身で市財産経営課の濱﨑彰吾課長は「まさか阿蘇で踊る日が来るとは。交流が続いていく予感がした」

 県内を代表する二大観光地の阿蘇と天草。天草市と高森町の交流は12年、九州新幹線全線開業の効果を「横軸」に広げようと、天草地域の飲食店を招いて合同特産市を開いたのがきっかけだった。その後、行政も後押しして、互いの祭りに職員らが参加。小学生のサッカー大会などのスポーツ交流、特産品を生かした料理づくりなどにも広がった。

茂串地区の十五夜の大綱引きで懸命に綱を引く法被姿の高森町民ら=2013年、天草市
茂串地区の十五夜の大綱引きで懸命に綱を引く法被姿の高森町民ら=2013年、天草市

 15年に防災、観光などの分野で交流連携協定を締結。天草市議時代から交流強化に奔走した故中村五木・前市長は「県境そして海と山。離れた地域にあるからこそ交流していく意味がある」と強調していた。

 16年の熊本地震の際につながりが生きる。本震直後に停電に見舞われた高森町は、発電機を動かすためのガスボンベが不足した。天草市は職員の自宅用を含め市内全域からボンベをかき集め、2日後には約530本を届けた。開通している道を探し車で運んだ金子邦彦・前副市長は「交流があったからこそ、必要な支援が迅速にできたのではないか」と話す。20年には豪雨で被災した天草市牛深町の茂串地区の民家で、高森町職員が泥かきを手伝った。町職員や町民は地区の大綱引きに参加するなど交流を続けていた。

 ただ、すそ野を広げるのはこれからだ。天草・高森横軸連携実行委員会の山村弥平委員長は「距離は縮まったが、交流はまだまだ限定的。若い世代を含め気軽に往来できるような関係をつくりたい」と今後の発展に意欲を見せた。

被災した民家で泥かきする高森町職員=2020年、天草市
被災した民家で泥かきする高森町職員=2020年、天草市

馬場昭治・天草市長 互いの特産生かして商品化を

天草市の馬場昭治市長
天草市の馬場昭治市長

 -熊本県を代表する観光地のつながりの重要性は?

 阿蘇と一緒に熊本の観光を引っ張っていく存在にならなければならないし、責任も感じている。だからこそ、山と海がつながり、継続して盛り上げていく意味は大きい。

 -阿蘇や高森町のイメージは?

 実は高校時代、ソフトボール部の夏合宿が阿蘇であり、寝泊まりしていた。風鎮祭に合わせた合宿で、造り物や「高森のにわか」を見たことがある。縁を感じている。

 -連携を地域の魅力アップにどうつなげますか。

 互いの特産を生かしたメニュー開発などを続けてきたが、商品化を進められれば。地元では当たり前で見えない宝もある。互いに発掘し合って、磨き上げるのが大事だ。10周年のイベントをきっかけに再出発し盛り上げ、牛深地域から始まった交流を天草市全体に広げていきたい。

 -高森町の草村大成町長が子どもたちや学校同士の交流強化を呼びかけています。

 ぜひやりたい。天草市の小中学生は本年度から体験学習の島づくりに取り組む。高森の子どもたちを受け入れたい。一方で、こちらからも高森町に行き、阿蘇の自然を体験してほしい。また、高森高のマンガ学科について関心が高く、学ぶ機会を作りたい。

草村大成・高森町長 離れた地域同士の連携は有効

高森町の草村大成町長
高森町の草村大成町長

 -天草市との横軸連携の意義は?

 お互いに補完しながら地域を盛り上げていく珍しい取り組み。県境に位置し、人口減少など抱える課題も状況が似ていた。簡単ではないが、以前のような活気を取り戻したいとの思いも共通だと考える。危機感を共有でき、一緒に歩むことができると思った。

 -風鎮祭で本場の牛深ハイヤが披露されたときの心境は?

  反響がすごかった。本物を見ることができて住民が本当に喜んでいた。歴史がある風鎮祭だが、刺激を与えアップデートするのに効果があったと思う。

 -防災などで交流連携協定を結び、熊本地震などの際に役立ちました。

 地震後すぐに中村五木前市長に、発電機用のガスボンベが足りないと支援を要請した。水をくみあげるのにも必要で、すぐに届けてもらったおかげで急場をしのげた。かゆいところを言える率直な間柄だったからこそ。離れた地域同士の連携は、どちらかが被災した時に有効だ。

 -今後、交流をいかに発展させますか。

 幅を広げていくのが大事だが、特に子どもたちの交流を進めたい。互いの環境を生かした学校ぐるみの学びの場ができないか。オンラインで結ぶことも良い。10周年は通過点。今後さらにつながりを強固にしたい。

5月6日は「海山の幸」特別販売、ステージイベントも

  熊日本社で開かれる10周年記念イベント「海風山響[うみかぜやまびき]フェスタ」は、天草市と高森町の交流10年を振り返る展示のほか、「海と山の幸」の特別販売、伝統芸能のステージなどで両地域の魅力を発信する。午前10時~午後4時まで。

 会場では、ブリなどの刺し身を載せた「漁師めし」やアジの南蛮漬け、雑節唐揚げ、ヤマメの塩焼きなど特産グルメを販売。牛深ハイヤ踊りや国選択無形民俗文化財「高森のにわか」、高森町を拠点に活動する「096k(オクロック)熊本歌劇団」のステージもある。過去の交流の様子など、熊日記事や写真も展示する。

 また、くまTOMOサポーターを対象に、ハイヤやにわか化粧、ヤマメつかみ取りの体験会も。応募は熊日IDとTOMOサポの登録(いずれも無料)が必要で、参加費は500円。4月30日申し込み締め切り。

 ※入場無料。駐車場は200台(要予約)。なるべく乗り合わせや公共交通機関の利用を。実行委員会☎0967(62)2913

天草市と高森町の交流10周年記念イベント「海風山響フェスタ」
会場:熊本日日新聞社(熊本市中央区世安1-5-1)

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