知ってる? マイナの更新手続き 年齢で手続きに違い、免許証より手間… 熊本市は26年度更新ピーク、政府も変更を検討
熊本県民の7割以上が持ち、運転免許証より広まったマイナンバーカード。お手元のカードの更新時期や手続き方法はご存じだろうか。「7歳の娘のカードを初めて更新したが、手間がかかった」と熊日の「SNSこちら編集局」に嘉島町の大学職員服部栞[しおり]さん(33)から声が寄せられた。詳しく調べると、同じ身分証として使う運転免許証よりも複雑なようで…。
運転免許証の場合、原則5年に一度、更新時期を迎える。運転免許センターに免許証を持参すれば、1度の手続きで更新を済ませることができる。
一方、マイナンバーカード。有効期限は機能に応じて「5年」と「10年」があり、発行時の年齢によって、更新に必要な手続きが異なる。
まず成人(2022年4月以前の発行なら20歳以上)の場合、有効期限の発行から5回目の誕生日前に、カードのICチップに内蔵された個人データ「電子証明書」の更新をしなくてはいけない。手続きは今持っているカードと、国から郵送で届く通知書を最寄りの役場などに持参すれば、通常は即日完了する。運転免許証と手間は変わらない。
だが、18歳未満(22年4月以前の発行なら20歳未満)の未成年の場合は面倒な手続きが必要だ。「電子証明書」だけでなく、カード本体も切り替えなくてはいけないからだ。熊本市の担当者は「マイナカードは顔写真付きの身分証。子どもは成長により外見が大きく変わるので成人より有効期限を短く設定している」と説明する。
手続きは2回。まずは有効期限である3カ月前に国から届く交付申請書を使って、必要事項を入力し、顔写真を用意する。最寄りの役所窓口のほか、郵送やスマホなどでも手続きは可能だ。新しいカードができた通知書が届いたら、役所などに取りに行かなくてはいけない。「手続きが完了するまで申請から3~4週間要する」(熊本市地域政策課)ので、運転免許証より手間も時間もかかる。
この手続きは、成人も最初の発行から10回目の誕生日前には必要。ただマイナカードが始まったのは16年で、現在は未成年だけが、面倒な手続きに直面している。S編に投稿した服部さんもこのケースに当てはまる。
さらに、誕生日から1カ月後まで更新ができる運転免許証と違って、マイナカードは誕生日までに更新を終えないと、健康保険証などの提出が必要になる。熊本市の担当者は「余裕を持って誕生日の1カ月前には申請してほしい」と言う。
マイナカードの更新は今後、ピークを迎える。23年度まで実施したマイナポイント事業でカードを取得した人が多いからだ。23年度、熊本市でカード更新を迎える対象者は約4万2千人だが、26年度には約4倍の18万2千人に膨れ上がる見込みという。
「便利と思って作ったカードなのに、更新手続きが複雑で分かりづらい」と前出の服部さん。このような声を受け、デジタル庁では成人の電子証明書の有効期限の延長や、更新手続きの締め切りを延ばすことも検討している。(東有咲)
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