ハトの巣を勝手に撤去したら法律違反!? 罰金の可能性も 野生の鳥に関する意外な〝落とし穴〟とは
「ベランダにハトが巣を作り、大量のふんをして困っています。マンションの管理組合に相談したら、法律で行政の許可がないと撤去できないと聞きました」。熊本市東区の男性会社員(41)から、熊日のSNSこちら編集局に悩みが寄せられた。自宅なのに勝手に撤去できないって本当だろうか。そういえば先日、ハトをひき殺した疑いでタクシー運転手が捕まった事件もあったような…。ハトって保護されてるの? 調べてみた。
「卵やひながいる場合、ハトに限らず野生の鳥の巣を行政の許可なく撤去するのは法律で禁止されています」と熊本県自然保護課の担当者。鳥獣保護管理法は生態系の維持などを目的に、鳥の卵の捕獲・採取を原則禁止。卵を動かすことすらできないという。違反すれば1年以下の懲役か、100万円以下の罰金を受ける罰則もある。
熊本県内では、最寄りの市町村が許可している。熊本市の場合は農業支援課鳥獣対策室が窓口。担当者による現場検証が必要で、許可が出るまでに申請から1日~1週間かかるという。
今年4~7月、同課に寄せられたハトの被害に関する相談は30件。例年80件程度あり、「自宅に作られた巣を撤去したい」「ふんの被害に困っている」などが多いという。
清野陽介室長は「鳥の巣やふんを自ら撤去する場合、マスクや手袋を着用して」と話す。野生の鳥はウイルスを持っている場合もあり、巣やふんを介して感染すれば健康被害の恐れがあるという。「専門業者に依頼することも選択肢の一つ」とアドバイスする。
話を聞く限り、自宅に巣を作られたら対応が厄介になりそう。ハトを寄り付かせない対策はないだろうか。防鳥用品を扱う熊本市東区のホームプラザナフコ江津店の東家恵太郎店長は「『とげ』が手軽で人気」と言う。
長さ5~15センチのとげのついた専用シートで、ベランダの手すりなどハトが止まりそうな場所に設置する。侵入を防ぐネットに比べても設置が簡単だという。同店でも〝フン害〟を受けた軒先にシートを設置したところ、ハトが寄り付かなくなったという。ハトが嫌う匂いを吹き付けるスプレーも効果があるとしている。(東有咲)
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