熊本―台北線が就航!直行便で熊本を訪れた台湾人に思い出を聞きました【台湾ってこんなトコVol.4】
■熊本に訪れた台湾人に思い出や印象を直撃インタビュー!
台湾と日本で新型コロナウイルス感染症の水際対策が緩和されて1年余り。今年に入って日本を訪れた台湾人は9月末時点で300万人を超えました。
台湾の航空会社は台湾人に人気の日本路線の復便や新規就航に力を入れています。今年9月には中華航空(チャイナエアライン)と星宇航空(スターラックス・エアライン)が台湾と熊本を結ぶ直行便を就航しました。
連載の第4回は、直行便を利用して熊本を訪れた台湾人に旅の思い出や熊本の印象などを聞きました!
【1人目】一人旅にやって来た新竹県在住のエンジニア・頼隆彬さん(41)
取材に応じてくれたのは、新竹県在住のエンジニア、頼隆彬さん(41)。台湾の双十節(建国記念日)の連休(10月7~10日)に合わせ、直行便を利用して熊本を訪れ、九州に計8日間滞在しました。
頼さんは今年6月、コロナ感染拡大後初の海外旅行で、家族と日本の東北地方を訪れました。台湾に戻り、今度は一人旅を計画していたところ、星宇航空の熊本線の航空券の販売が始まったことを知ったそう。
チケットの価格は福岡線と比べてリーズナブルで、有給休暇を取れば、長い休みも実現できる。こうしたことが決め手となり、初の九州旅行に行くことにしました。
■JR九州乗り放題パスで福岡、長崎、大分へ
阿蘇くまもと空港に到着後は、海外からの旅行客を対象にJR九州の鉄道が乗り放題になる「JR九州レールパス」の北部九州版を購入し、福岡に向かいました。
その後、長崎、大分の由布院と別府を訪問。観光列車「ふたつ星4047」も利用しました。
■最後の2日間は熊本を観光。お気に入りは「草千里」
旅行の最後の2日間は熊本の観光地を巡りました。レンタカーを運転し、別府から熊本の黒川温泉へ移動。旅館に一泊して旅の疲れを癒やした後は阿蘇エリアを訪れました。
大観峰や阿蘇神社、火山口などを巡りましたが、中でも草千里が特に気に入ったそうです。「風景は美しく、車を止めて牛や羊を近くで眺めることができました」と教えてくれました。
熊本城や水前寺成趣園も訪問しました。
■熊本グルメも堪能。「馬刺しは焼いて味わいました」
熊本のグルメも味わいました。阿蘇エリアを訪れた際に食べたあか牛の焼き肉やプリンがおいしかったそうです。
名物の馬刺しにも挑戦しましたが「食べる勇気がなかったので、焼いて味わいました」と教えてくれました。
■再び熊本を訪れたい
今回の旅行では予定を入れ過ぎたため、熊本をあまり深く体験できなかったとも振り返ります。
再び熊本を訪れたいそうで、その際には黒川温泉の「湯あかり」ライトアップを観賞し、阿蘇エリアではヘリコプターの遊覧飛行を体験したいそうです。
頼さんは熊本直行便の就航で九州に行く機会が増えそうだと話します。
「福岡線のチケットが高ければ、熊本線を選ぶこともできます。熊本は九州の中心に位置しているから、鹿児島などに行く際にはアクセスしやすいと思います」とその魅力を語りました。
【2人目】引っ越し前に熊本を知ろうと滞在。新北市の会社員・施昕瑜さん(31)
新北市に住む会社員、施昕瑜さん(31)は台湾人のご主人が熊本に転勤したことから、今年9月に直行便で熊本を訪れ、約1カ月間滞在しました。
単身赴任中のご主人の生活をサポートすると同時に、施さん自身も来年熊本に引っ越しを予定していることから、熊本を知ることが滞在の目的だったそうです。
■熊本は観光地化され過ぎておらず、身近に感じる
施さんはこれまで2年に1回のペースで日本旅行を楽しんできたそうですが、目的地の多くが東京や大阪、沖縄、北海道などの大都市か、人気の観光地でした。
熊本の印象は「大都市と比べてリラックスすることができます。観光地化され過ぎていなくて、地元の人の生活を身近に感じることができました」と振り返ります。
■引っ越し控え市役所で手続きも。熱心な職員の対応に感謝
滞在中は市役所などで来年の引っ越しに必要な手続きもしました。中学生のころから日本語の勉強を続けていますが、公的な文書を読むのは「難しかったです」と振り返ります。
施さんは、職員が熱心に、粘り強く対応してくれたことが深く印象に残っていると話します。一つ一つの字の書き方を教えてもらいながら、手続きを完了させることができました。
■熊本の生活環境を理解する機会に
熊本の生活環境についても理解を深める機会になりました。
ごみ捨てのルールやスーパーの割引など、現地の生活について学びました。
スーパーでは台湾の食材を集めたコーナーがあるのを見つけ、「台湾人に対する親しみを感じました」と感想を教えてくれました。
■熊本の人のPR力にびっくり
施さんが滞在を通じて強く感じたことがあります。それは、熊本の人たちが地元を大切にし、PRに熱心に取り組んでいることです。
あちこちで「くまモン」を目にしたほか、「ワンピース 熊本復興プロジェクト」の一環で、熊本県の各地に設置されていた「仲間の像」が印象に残ったといいます。
ご主人と一緒に一部の銅像と写真を撮ったそうで、「とても楽しかったです。今後、全ての像を見に行きたいです」と話しました。
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<この記事を書いたのは>
張成慧(チョウ・ナルエ)
NNA台湾編集部に勤める30代の台湾人女性。大学時代に交換留学生として日本に約1年間滞在して以来、日本が恋しく年に2回のペースで各地を訪ねています。旅やアート作品などを通じて、自身の感性が磨かれるものごとを見つけるのが好き。
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