渋滞の慢性化、住民交流の希薄化…子育て世代転入で新たな悩みも【嘉島町・発展と課題 町長選を前に㊦】
国道445号と国道266号が交わる嘉島町の鯰交差点。8日午前8時ごろ、通勤などで熊本市中心部に向かう車列が信号の切り替えに合わせ、100メートルほど連なっては流れてを繰り返していた。
交差点は通称・浜線バイパスの一部。混雑は生活道路に及び、2児を育てる同町鯰の主婦(44)は「朝夕はバイパスに向かう車が自宅前まで連なっている。イライラするのか、運転が荒いドライバーも見かけるので、事故が起きなければいいけど…」と心配する。
熊本市の南東部に隣接し、ベッドタウンとして発展を続ける嘉島町。熊本市とつながる国道は朝夕の渋滞が慢性化している。週末や祝日も、大型ショッピングモールのイオンモール熊本に町内外から多くの客が集まり、周辺の道路は混雑する。
県道路整備課によると、2020年の調査では、鯰交差点は夕方に最大230メートルの渋滞が発生。イオンモール南側の上仲間交差点は朝で最大1900メートル、夕方で最大1700メートルの渋滞が発生していた。
上仲間交差点では21年3月、国道266号と交差する県道に左折レーンを設置する改良工事を実施。しかし、その後も渋滞は確認されており、抜本的な解決には至っていない。熊本都市圏に高規格道路を新たに3本造る「10分・20分構想」への期待も高まるが、具体化に向けた議論はこれからだ。
町建設課によると、国道が並走する区間をつなぐ生活道路での車列も目立つ。同課は「町でできる対策は限られる。国や県に要望をしていくしかない」と頭を悩ます。
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