熊本県、農産物輸送の支援強化 トラック「2024年問題」に対応 補正予算案に関連費6800万円計上

熊本日日新聞 | 2023年9月8日 08:22

トラックに農産物の商品を積み込む業者。2024年問題を受け、関東や関西への効率的な出荷体制づくりが課題となっている=22年11月、八代市

 熊本県は、トラック運転手不足が懸念される「2024年問題」に備えて、農産物の効率的な輸送体制の構築に向けた支援に乗りだす。県内JAと連携しながら、産地ごとに出荷する体制へ見直しを進める場を設置。輸送手段を切り替えるための実証実験も視野に入れる。23年度一般会計補正予算案に関連費6800万円を計上する。

 政府は24年4月からトラック運転手の時間外労働への規制を強化する。県によると、農林水産物は全国的に最大32・5%の輸送能力不足が起こる恐れがある。全国有数の農業県の熊本からも野菜や果樹といった農産物の多くが主に関東や関西方面にトラックを使って運ばれており、県は対応が必要と判断した。

 積み荷作業の時間短縮につなげるための資材の導入や、輸送手段を鉄道などに切り替える「モーダルシフト」の実証実験にかかる経費について、それぞれ補助する。県内14JAを中心に、出荷先の集約や変更を検討する場を設けてもらう方針だ。

 2024年問題を巡っては、県トラック協会が「農産物の積み込み時間を短縮する輸送」の必要性を強調。JAや漁協も交えて8月に県庁で開いた会合では「関西への翌日配送が難しくなる」「既に人手不足の影響が出ている」といった声が上がっていた。(内田裕之)

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