山都町「大造り物」秘密主義の制作慣習に変化 高齢化、作り手不足…情報交換へ「保存会」組織 八朔祭
山都町矢部地区の伝統の祭り「八朔祭[はっさくまつり]」の「大造り物」の制作風景が変わりつつある。造り物は浜町商店街の住民でつくる連合組(現在は8組)が、互いにテーマを伏せて制作するのが慣習だ。しかし今年は各連合組の代表ら10人がNPO「山都町大造り物保存会」を組織し、情報交換を始めた。背景には作り手の高齢化や不足がある。NPOは、町外にも参加を呼びかけて伝統をつなぐ覚悟だ。
「松ぼっくりが足りんかもしれん。どっかにあるどか?」「あそこならたくさんあっとじゃなかかな」-。8月下旬、仲町下連合組の大造り物小屋に別の連合組が相談に来ていた。
造り物は、7月ごろから約2カ月の短期集中で作る。大きいもので高さ約5メートル、重さ2トン。材料のススキや竹、スギ、松ぼっくりなどは野山で調達する。
NPOの初代代表に就いた下市連合組の橋本浩彰さん(62)によると、かつては「妻を実家に帰すほどの秘密主義」で制作していたという。しかし近年は高齢化や作り手不足で継承が危ぶまれている。半世紀前には15ほどあった連合組も半分になった。「免許返納した高齢者もいて材料調達も難しくなった。これまでは調達場所も内緒だったが、今後は協力しながら伝統を残していく」。LINE(ライン)グループも作り、メディアの取材対応の手配や各連合組が抱える課題の共有に役立てている。
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