教員免許持っているが…「ペーパーティチャー」を教壇に 熊本市教育委員会が初の講習会 人材掘り起こし狙う【いま、学校は】
熊本市教育委員会は、教員免許を持ちながら教壇に立っていない「ペーパーティチャー」を対象にした講習会を初めて開いた。小学校の授業の見学や学習用端末の体験をした参加者からは「子どもたちの生き生きとした表情を見て、教壇に立ちたい思いが強くなった」と前向きな感想が上がった一方、「学習用端末を使いこなせるか心配」と教育現場の環境の変化に戸惑う声も聞かれた。
教職経験のない人や育児などで現場を離れた元教員など学校で働くことに関心がある人を掘り起こし、深刻な教員不足を解消する目的。正規採用は採用試験に合格する必要があるが、臨時採用講師(臨採)や非常勤講師は年度途中でも勤務可能で、早ければ2学期から教壇に立ってもらう狙いがある。
講習会は18日、熊本市中央区の城東小と市教育センターであり、20~50代の23人が参加。4年生の国語や5年生の英語の授業などを見学し、情報通信技術(ICT)を活用した授業の進め方や児童に対する担任の問いかけ方などを学んだ。
学校現場ではICTを活用した授業が一般的になり、2020年度に全面実施された小学校の新学習指導要領では英語の教科化とプログラミングの必修化が盛り込まれた。教職経験のない自営業の男性は「大学時代の数十年前と比べて授業風景が全く違うことは新鮮だったが、ICTを使いこなすには時間がかかりそう」と苦笑いした。
教育センターでは実際に学習用端末の操作を体験。身近なものを写真に撮って画面上で加工したり、文章作成機能で講習会の感想を先生役の市教委職員に送信したりした。参加者は「送信ボタンはどこですか」などと四苦八苦しながら、作業を進めた。
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