漂流ごみを回収、新海洋環境整備船「海輝」が就航 有明・八代海

熊本日日新聞 | 2023年5月22日 11:38

先代船から漂流ごみの回収業務などを引き継いだ新「海輝」(九州地方整備局提供)

 国土交通省九州地方整備局の新しい海洋環境整備船「海輝[かいき]」が、有明海や八代海で漂流ごみの回収業務を始めた。同じ名前で20年近く稼働し、老朽化した旧「海輝」の業務を継承。“先代”よりコンテナ容量を増やすなど機能を向上させた。

 新「海輝」は、国交省が13億円かけて造り、全長29・5メートル、重量128トン。長さが旧「海輝」の1・1倍と船体が一回り大きくなり、航行の安定性が高まったという。コンテナ容量は30立方メートル、航続距離は500カイリで、いずれも旧「海輝」の2倍になった。

 海洋環境整備船の活動は、2002年施行の有明海・八代海再生特別措置法に基づく。海水の水質調査なども担っている。

 旧「海輝」は03年11月に就航。今年3月に役割を終え、新造船に業務をバトンタッチした。12年の九州北部豪雨、球磨川が氾濫した20年豪雨で流木が海に漂った際などに活躍。稼働期間中の年間回収量は最大1058立方メートルだった。

 九州地方整備局の担当者は「豪雨時に発生する大量の流木の回収でも新船の能力を発揮させたい」と話しており、12年4月に就航している別の海洋環境整備船「海煌[かいこう]」とともに業務に当たる。(福山聡一郎)

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