いじめ虐待、アプリで検知 熊本市の英国出身ALTが開発

熊本日日新聞 | 2021年03月08日 13:40

子どもたちに「ガーディアン」の使い方を教えるALTのケイトリン・プーザーさん(左)=2月24日、熊本市北区の弓削小
アプリ「ガーディアン」の質問例(JSIE提供)

 熊本市立の学校で外国語指導助手(ALT)を務めるケイトリン・プーザーさん(25)=英国出身=が、子どもが簡単な質問に答えると、いじめや虐待の兆候を検知できるというアプリ「ガーディアン」を開発した。「悲しい思いを抱える子どもを見つけたい」と話す。

 「ログインできたら絵文字を選んでください」。2月24日、同市北区の弓削小で、プーザーさんがガーディアンの使い方を説明した。第1問は「いまのきもち」。子どもたちは「しあわせ」「悲しい」「怖い」など6種類の絵文字から一つをタップし、送信。2年の下込咲さんは「絵を選ぶだけで簡単」と笑顔を見せた。

 プーザーさんは英国の大学で犯罪学と日本語を学び2016年に来熊。ALTとして働く中で、日本人はつらい気持ちを言い出せない人が多く、問題が表面化しにくいと感じたという。熊本市の学校で、タブレット端末導入が進んでいたこともあり、アプリ開発を思い付いた。「特に学校現場のアンケートでは、家庭内虐待のサインが見えにくい」と指摘。ガーディアンでは「入浴はしているか」「洗濯をしてもらっているか」などの質問から、育児放棄の兆候もつかめるという。

 プーザーさんは19年、県内であった女性や若者の活躍と起業をサポートする一般社団法人JSIE(東京)のワークショップでアイデアを発表し、最優秀賞を受賞。JSIEが支援し、ネパールのIT企業がガーディアンを制作。20年にJSIEが特許を申請している。

 ガーディアンは、学年に応じて設問内容を設定できるのが特徴の一つ。回答を自動的に集計し養護教諭に伝達する仕組みで、集計作業の負担も軽減できるという。

 JSIEは熊本市教育委員会の了承を得て、2月に弓削小のほか武蔵小と武蔵中でも試験的にガイダンスを始めた。今後は希望校を募り、来年4月から県内の小中学校を中心に導入したい考えだ。

 ガーディアンの意味は「守護者」。プーザーさんは「外国人だから気付けることもある。学校や家庭の問題を把握して、一人でも多く困っている子どもを守りたい」と意欲を見せる。(澤本麻里子)

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