広がる「UDeスポーツ」 熊本県内外50施設導入 だるま落とし、綱引き…ボタンだけで操作、誰でも楽しく

熊本日日新聞 | 2023年3月18日 08:00

UDeスポーツを楽しむダウン症のある人たち(日本ダウン症協会熊本支部提供)
「UDe-スポーツ協会」が開発しただるま落としのゲーム画面。だるまが載っている台と同じ色のボタンを押すと得点が入る(協会提供)

 年齢差や障害の有無に関係なく対戦を楽しめるよう工夫されたゲーム競技「UD(ユニバーサルデザイン)eスポーツ」を導入する動きが、高齢者や障害者の施設などに広がっている。ゲームの開発や普及に取り組むのは合志市の「UDe─スポーツ協会」。設立から1年足らずで県内外の約50施設が取り入れた。

 協会が提案するUDeスポーツは、赤、青、黄、緑に色分けした四つのボタンを押すだけでプレーできるのが特徴。綱引きや玉入れ、徒競走、だるま落としなどルールが簡単で、45秒~1分で勝負が決まる。オンライン対戦も可能だ。

 協会は2022年5月、eスポーツで障害者らの社会参加を支援する「ハッピーブレイン」(合志市)などが立ち上げた。新型コロナウイルス禍で施設の面会や外出が制限され、eスポーツのニーズが高まったことが背景にあった。

 機材は施設側が用意し、初期費用と月額利用料を協会に支払う仕組み。導入した施設では「集中して遊べ、周りも盛り上がる」と好評。協会によると、UDeスポーツに親しむ県内の70代以上の40人のうち7割で注意力の改善がみられたという。

 介護予防に加え世代や距離を超えた交流につながるとして、自治体からの問い合わせも増えている。

 協会の代表理事で、ハッピーブレイン代表取締役の池田竜太さん(39)は「1千施設への導入が目標。誰もが『ごちゃまぜ』になって笑顔になれる世界を目指す」と話している。(中原功一朗)

ランキング

イベント情報