首里城再建、熊本の企業が〝助太刀〟 使用木材を加工、出荷始める 熊本市・黄檗建設

熊本日日新聞 | 2023年3月10日 14:23

首里城正殿の向拝柱などに使用される木材と県内の関係者ら=熊本市東区
首里城の再建に使用される〝合格印〟が押された木材と黄檗賢二社長=熊本市東区

 2019年の火災で焼失した那覇市の首里城の再建に使うイヌマキの木材が10日、熊本市から沖縄に向けて出荷された。寺社の建築や改修を手がける熊本市東区の黄檗[きわだ]建設が加工した。木材は正殿の正面に立つ向拝柱[こうはいばしら]として沖縄の象徴を支える。

 イヌマキは耐久性が高く、火災前の首里城でも使われていた。今回の木材は長崎産の7本。直径42センチ、長さ5・5メートル。このうち4本が向拝柱となる。同社が切り出し、約1年間乾燥した。国と琉球大の研究者が乾燥の状況を調べ、1日に再建に使える木材になったことを確認した。

 出荷作業は午前9時に東区の肥後木材であり、作業員が一本ずつ、慎重にトラックに積んだ。11日に鹿児島の谷山港からフェリーに積み込まれ、14日朝に首里城再建の現場に到着する。

 黄檗賢二社長(71)は、沖縄出張の際に出会った歌手の喜屋武幸雄さん(81)から、首里城再建に必要なチャーギ(イヌマキ)の不足を知り「手伝わにゃいかん」と決意。「沖縄での出会いを通して再建への気持ちが高まった。熊本のみんなで沖縄の役に立つことができてうれしい」と話した。(伊藤恩希)

焼失前の首里城の正殿。イヌマキは正面の4本の向拝柱に使われる=2017年2月、那覇市

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