TSMC第2工場も熊本? 菊陽町周辺も有力候補地 地元に膨らむ期待と…
半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が、日本で二つ目となる半導体工場の建設を検討している。TSMCは建設予定地を示していないが、既存の工場を見ると集積させる傾向があり、一つ目の工場を建設中の菊陽町周辺への立地が有力との見方も出ている。
TSMCの魏哲家最高経営責任者(CEO)は1月上旬に開いた決算説明会で「日本で二つ目の工場建設を検討している」と表明。広報担当者はその後の熊本日日新聞の取材に対し、菊陽町を含む熊本県での建設について「いかなる可能性も排除しない」と答えた。
蒲島郁夫知事は期待感を強めており、「第2工場の建設地として熊本を選んでもらうためには、現在進めている受け入れ態勢を整えるのが最大のアピールになる」。2月上旬に開いた県の庁内横断組織「半導体産業集積強化推進本部会議」でこう強調した。
台湾・新竹市にあるTSMCの本社周辺などでは複数の工場棟が軒を連ねている。県幹部は「建設中の工場の近くに立地する方が設備を共有でき、コスト削減などの面でメリットがあるのではないか」との見方を示す。
TSMCの子会社JASM(熊本市)が現在建設中の工場は、2024年末に量産を開始する計画。回路線幅が10~20ナノメートル(ナノは10億分の1)台の演算用ロジック半導体を月間5万5千枚(300ミリウエハー換算)生産し、同社に出資するソニーグループやデンソーに供給予定。総投資額は1兆円規模だ。
残り 707字(全文 1322字)
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツTHEMES
熊本の経済ニュース-
まるでキツネの顔? 秋の観賞用にツノナスの入荷が本格化【ただいま入荷中@熊本花市場】
熊本日日新聞 -
【新風】自宅前に野菜の自販機 「消費者の声が励みに」(上田雅治さん、24、荒尾市)
熊本日日新聞 -
「スマート農業」で労働力不足補え 自動収穫機など導入後押し 10月に新法施行 生産や開発に新たな支援【くまもと発 食料安保を考える 基礎編】
熊本日日新聞 -
新米、やっぱり高め 熊本県内のスーパーや直売所、昨年と比べ3~5割高も 品薄状態も続く 消費者ため息、農家は「コメ離れ心配」
熊本日日新聞 -
再エネ利用進むバイオマス、九州での展望と課題探る 30日、熊本市でシンポジウム 参加者募集
熊本日日新聞 -
【とぴっく・小国町】JA阿蘇小国郷畜産共進会
熊本日日新聞 -
建設業の魅力、子どもの就職先に 県建設業協会が熊本市で保護者見学会
熊本日日新聞 -
熊本第一信用金庫人事(2024年9月24日付)
熊本日日新聞 -
熊本城の復旧から渋滞分析まで 地域の課題解決を技術面でサポート 熊本構造計画研究所(大津町)【地元発・推しカンパニー】
熊本日日新聞 -
「くまもと県南フードバレー経営塾」が開講 食産業で県南経済けん引する人材育成へ
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
-
学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格取得を目指す記者と一緒に楽しく学んでいきましょう。
※次回は「投信はプロに託す」編。9月23日(月)に更新予定です。