ロアッソ熊本、ホーム入場者伸び悩み コロナで在宅観戦定着も

熊本日日新聞 | 2022年6月30日 08:00

空席が目立つロアッソ熊本側の応援席=6月25日、えがお健康スタジアム(後藤仁孝)

 サッカーJ2ロアッソ熊本のホーム入場者が伸び悩んでいる。4季ぶりに復帰した舞台で11位(第23節終了時)と健闘しているものの、観客数の低迷に関係者は危機感を募らせている。

 運営するアスリートクラブ(AC)熊本によると、これまでのホーム10試合の入場者数は計3万692人。1試合平均入場者は3069人と過去最低水準だ。

 2008年にJ2に参入した熊本の1試合平均入場者数は、15年シーズンの7037人が最高。J3降格が決まった18年の5269人がJ2での最低だった。

 AC熊本は今季、年間入場者総数の目標を8万1400人に設定したが、現時点での達成率は38%。ホームの残り11試合での目標達成はかなり難しい。

 クラブは今季から無料招待の数を抑え、有料入場者の割合を増やす方針に転換。AC熊本の担当者は「今季は約7割が有料入場者で、観客数が減っていても、チケット収入自体は今期の計画を達成できそう」という。J2に復帰した今季はシーズンシートの売れ行きも好調で、1370席が販売済み。予算案を上回る4400万円を売り上げた。

 とは言え、入場料収入は営業収入の大きな柱。クラブ幹部は「経営安定のためにもチケット収入を増やしたい」と漏らす。入場者が増えれば、付随してグッズの売り上げが伸びるなど波及効果は大きい。

 AC熊本の藏原信博専務は「入場者増は喫緊の課題。チームは非常に面白いサッカーをしている。多くの人にスタジアムに見に来てほしい」と話す。

 クラブは、入場者の伸び悩みの要因を①えがお健康スタジアムへのアクセスの不便さや駐車場出入り口での混雑②新型コロナ禍で在宅での試合観戦スタイルの定着③声出し応援の禁止-とみている。

 特に駐車場問題は長年の課題で、試合後の出庫に1時間以上要するケースが頻発。ほかのイベントと重なると、駐車場が満車で観戦できないこともあり、サポーターの不満は根強い。6月18日にクラブが開いたサポーターとの意見交換会でも、会場周辺の渋滞緩和を求める意見が相次いだ。

 クラブは民間業者と提携、試合日に周辺の民有地を駐車場として利用できるサービスを開始。パークアンドライドなどの取り組みも検討しているという。

 ただ、抜本的な解決につながる駐車場の改修について、県都市計画課は「渋滞が頻繁に起きている訳ではない。税金を使う以上は費用対効果をきちんと議論しないといけない。基本的には主催者側が公共交通利用やシャトルバスの運行などを促進してほしい」と以前と変わらず消極的だ。

 クラブは将来的に新スタジアムの新設も掲げているが、クラブ幹部は「まずはサポーターなど県民の機運を高めていかないといけない」。検討はほとんど進んでいないのが実情だ。

 一方、新型コロナ禍でJリーグ全体で客足が遠のいている。リーグはこうした現状を改善しようと、声出し応援の解禁に向けた検証を実際の試合で進めている。7月30~8月14日には、観客席の配置を限定し、希望する全クラブが会場全体で声援を解禁できる対策を決めた。

 「声出し応援が実現すれば、一定数の観客が戻るはず」とAC熊本は期待する。以前のような熱気あるスタジアムを取り戻すことができるか。声出し解禁に合わせて、効果的な集客策を打ち出すことが重要になりそうだ。(後藤幸樹)

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