セルフレジで大量の硬貨を”逆両替” 預入手数料導入後に増加 スーパー「機械止まり大変」

熊本日日新聞 | 2022年3月18日 06:30

硬貨を大量投入しないように呼び掛けるステッカー。さまざまな店舗のセルフレジで見かけるようになった

 「店のセルフレジに小銭を大量投入され、機械が止まることが多くて大変」。スーパーに勤める熊本市の30代パート女性から「SNSこちら編集局」(S編)にこんな声が届いた。金融機関が硬貨の大量預け入れに対して相次いで手数料を導入したこともあり、大量の硬貨を紙幣に“逆両替”しようと、持ち込む買い物客が増えているという。

 女性は逆両替とみられる現場を目撃。「数十円の買い物なのに、セルフレジに500円玉を1万6千円分(32枚)投入されて機械が止まった」と振り返る。

 硬貨の預入手数料は、大手銀行や地方銀行が次々に導入。今年1月には、ゆうちょ銀行も硬貨の枚数に応じて手数料を新設した。

 一方、新型コロナ禍の影響もあり、店員を介さずに支払いを済ませるセルフレジや、計算は店員がして、精算は客自身が電子マネーや現金でするセミセルフレジが一気に増えた。

 レジがスムーズになった印象だが、熊本県内で複数の店舗を展開するスーパーの男性担当者は「支払い総額や不足額を確認しないまま小銭入れをひっくり返し、全投入される方は少なくない」と困り顔だ。

 機械が大量の硬貨を読み取れなかったり、小銭入れの中にあった「異物」も機械に入り込んだりして、復旧に時間を要するケースが後を絶たないという。買い物特典のシールや小さな打ち出の小づち形の金運アップのお守りなどが目立つという。同社のレジ担当女性も「機械が止まること自体は増えている印象だ」と証言した。

 いくつかの店を回ると、セルフレジ周辺には「硬貨の大量投入はご遠慮ください」「小銭のお預かりは30枚までとさせていただきます」などの注意書きが見つかった。ただし、いずれもあまり目立たない印象だ。

 各店の担当者は「買い物をしていただいている立場なので、支払いについてあまり強くは言えない」と口をそろえる。

 もともと貨幣に関する法律は、1種類につき20枚を超える硬貨が使用された場合、店は受け取りを拒否できると定めている。大量の硬貨は計算や保管に手間がかかるためだ。ただし店の了解があれば21枚以上でも受け取ってもらうことは可能だ。

 さて、大量の硬貨を扱う場所としてはスーパーやコンビニとともに神社や寺のさい銭箱も思い浮かぶ。浄財といえども金融機関への預け入れには手数料がかかるのか─。さらに取材を進めた。(立石真一)=「さい銭編」へ

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