「096k(オクロック)」時を刻む 女性歌劇団、熊本から羽ばたく

熊本日日新聞 | 2021年01月02日 16:00

高森町を拠点に活動を開始し、春の定期公演に向けて稽古を重ねる女性歌劇団「096k」のメンバーたち=同町(高見伸)

 阿蘇・根子岳を背景に笑顔でポーズを決める22人の若い女性。昨秋結成し、ここ熊本県高森町を拠点に活動を始めたばかりの「096k(オクロック)熊本歌劇団」だ。「世界に通用するエンターテインメントを熊本から発信したい」と、団員たちは意欲を燃やしている。

 「ソーレソーレソレ」。レッスン室で音楽に合わせて扇子を操る団員たち。額には汗、透明のマウスガードが白く曇る。その中に産山村出身の片山紗雪がいた。

 洋画が好きで、女優になるのが中学生の頃から夢だった。高校卒業後に上京。ミュージカル役者として経験を積んだ後、096kに入団した。「地元で芸能活動できるなんて夢のよう」。そう話す片山は「舞台だけでなくドラマや映画にも出演できる女優」になるのが目標だ。

 鈴木穂香は、生まれ育った北海道でミュージカルを12年続けてきた。「地元を出たい」という気持ちが強まり096kの団員に。熊本の環境に慣れず、故郷が恋しくなる日もあったが「誇りを持って初公演を絶対に成功させたい」と、まなざしに力を込める。

 合志市出身の梅本奈美枝は、福岡で演劇を経験。時には自分の実力のなさにコンプレックスを感じることもある。「未熟な自分と向き合い、ここで生まれ変わる。講師からの厳しい言葉にも全力で向き合いたい」。両手で汗を拭うと、負けず嫌いの顔に変わった。

 演劇やミュージカルの経験者から元自衛隊員まで、全国の個性あふれる若者が結集。高森町に居住しながら演技のレッスンに励む日々を送っている。照準を合わせる先は3月の旗揚げ公演だ。

 「役柄の幅を広げるためにも男心を勉強していきたい」「戦国時代をかぶいた男たちの情熱や恩義を、女性ならではのしなやかさと心の熱さで伝えたい」と団員たち。

 2021年、096kが本格的に時を刻み始める。(文・上島諒、写真・高見伸、鎌倉尊信)

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