若者の1票「社会変える」 コロナ禍で県内学生も困窮 給付金支給、学費減免求める声 若手記者企画「#選挙に行かなきゃダメですか?」

熊本日日新聞 | 2021年10月27日 09:00

無料の食料配布会に列をつくる学生たち=3日、熊本市東区

 新型コロナウイルス禍で、政治を身近に感じる若者が増えたとされる。コロナ禍の影響を受ける熊本の大学生らからは「選挙に行って自分の意思を示したい」という声が上がる一方、「身近な問題が政治で解決するとは思わない」といった意見も。31日の衆院選投票日、若者は選挙に行くのか-。

 今月3日、熊本市東区の公園で開かれたコロナ禍で困窮する学生向けの生活物資配布会。会場に来ていた熊本大3年の政田[まさだ]啓輔さん(22)=熊本市東区=は、昨年10月に熊本大に編入し山口県から移り住んだ。

 1人暮らしをするようになって気付いたのは「お米は意外と高い」ということ。編入したものの、ほとんどの授業がオンラインで友人づくりが難しかった。

 卒業後に就職しても、コロナ禍が続いて仕事もオンライン中心になれば、同期と仲良くなれるかが不安だと話す。「国内でのワクチン製造や治療薬の開発に力を入れて、対面できる日常に戻してほしい」。住民票は山口のままなので、投票に行くかは未定という。

 配布会を実施した「くまもと学生食料支援プロジェクト実行委員会」は県内の学生有志で構成。配布会は6回を数えた。毎回100人以上が列をつくり、インスタント食品や缶詰、米や野菜といった食料品のほか、マスクや生理用品などを受け取っていく。

 実行委が今春の配布会に合わせて実施したアンケートには学生ら210人が回答。コロナ禍で収入が減ったとの回答は約半数に及んだ。バイトのシフト減やバイト先の休・廃業、親からの仕送りが減ったことなどが理由。「食事は平均1日1回」と答えた学生も13人いた。国や大学に対しては給付金の支給や学費の減免を求める声が相次いだ。

 実行委で副委員長を務める熊本大2年の戸上宝紀[とがみたけのり]さん(20)=宇城市=は「困窮している学生は多い」と実感している。実行委は衆院選に合わせて、県内に組織がある政党に対して学生への給付金の支給や学費の値下げに関する公開質問状も提出。与野党の考えをただした。

 戸上さんは投票に行く予定だという。「国政選挙は国の政治に自分の意見を反映できる。1票では変わらないという声もあるが、価値はあると思う」

 県立大の澤田道夫教授(行政学)は、若者の投票率アップが「社会を変えるための『武器』だ」と指摘し、積極的な投票を促している。(この記事は川野千尋=24歳=が担当しました)

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