「内密出産」制度化の意向問う 慈恵病院、熊本市に公開質問状 

熊本日日新聞 | 2020年9月15日 09:32

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熊本市子ども政策課の光安一美課長(左)に公開質問状を手渡す慈恵病院の蓮田健副院長=14日、市役所

 「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」を運営する慈恵病院(熊本市西区)は14日、匿名を望む妊婦の「内密出産」について、熊本市から「法令に抵触する可能性が否定できない」として実施を控えるよう通知されたことを受け、市の考えを問う公開質問状を提出した。

 10項目について12月14日までの回答を求めている。国に求める法整備の具体案や、内密出産を制度化する意向の有無を質問。ゆりかごについても「法令違反との認識か」と尋ねた。厚生労働省が内密出産の実施に必要とする市の「指導」も求めた。市は、内密出産と法令との関係を法務省と厚労省に照会。回答を受け8月、実施を控えるよう通知し、大西一史市長は母子支援のための法整備を国に求める考えを表明していた。

 蓮田健副院長が市役所を訪れ、子ども政策課の光安一美課長に手渡した。蓮田副院長は「通知は内密出産に否定的だと感じる。最近も匿名で産みたいとの相談があり、いざという時は受け入れざるを得ない。市の考えを聞きたい」と話した。(深川杏樹)