「止まる?止まらない?」難解な三差路交差点 熊本市上熊本、プロも戸惑う

熊本日日新聞 | 2021年10月02日 19:09

横断歩道の信号機が赤になったタイミングで停止する右折車=熊本市西区

 「止まらなくて良いのに、赤信号だと思って停止する車が多い」「停止したら後続車からクラクションを鳴らされた」。熊本市西区の上熊本駅近くにある県道と市道の三差路交差点にある右折レーンの一時停止を巡り、「止まる」「止まらない」の正反対の意見が、熊日の「SNSこちら編集局」(S編)に複数寄せられた。取材すると、実はプロドライバーすら惑わせる難解な交差点だった。

 文豪・夏目漱石像が立つ上熊本駅前から市中心部に向かう県道、通称「わが輩通り」。問題の右折レーンがある交差点は、ゆるやかな左カーブの県道を駅から100メートルほど南に進んだ場所で、市電が走る市道へと分岐するY字路だ。

 進行方向に向かって二つの信号機が見え、一つは右折レーンのほぼ正面に位置する。さらに右折レーンの停止線は通常の実線ではなく、白色の破線。交差点を過ぎた直後の県道には、押しボタン式の横断歩道がある。

 実際に交差点で30分間、観察してみた。歩行者が押しボタンで横断したのは7回で、その時のみ車道側が約30秒間、赤信号に切り替わる。右折レーンの車は7回中6回、信号が青になるまで停車した。どうやら「止まる」派が多いようだ。

 道路管理者の市と県警に取材すると、正解は「止まらない」。右折レーンの正面にある信号は、県道の横断歩道用の補助信号で、赤信号で停止するのは県道側を直進する場合のみだという。熊本中央署は「県道の横断歩道用の信号に関係なく、市道方面へは対向車線の安全確認をして右折してほしい」と説明する。

 では右折レーンの破線の停止線は、実線の停止線と何が違うのだろうか。通常の停止線は道交法に基づき都道府県公安委員会が設置するが、破線は市町村が法定外に設置する「指導停止線」となる。このため停止しなくても取り締まりの対象にならない。「停止して周辺の安全確認するのが好ましい位置の目印」(市西区土木センター)だという。

 同交差点を巡っては路線バスを運行する熊本都市バスでも、過去に停止すべきかどうかで議論になったそうで、「県警に確認をとった上で、現在は停止していない」とのこと。

 S編に声を寄せた同市西区の公務員女性(40)は、取材結果を伝えると「これまで赤信号かもと思って迷いながら停止していたが、もやもやが晴れた。ただ、もう少し分かりやすい表示にしてもらえたら」と注文を付けた。(和田毅)

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