水球代表・志水を後押し、日本の至宝へ 五輪2大会連続出場、恩師の誇り

熊本日日新聞 | 2021年08月01日 08:10

リオデジャネイロ五輪後に帰省し、熊本のジュニア選手を指導する志水祐介(中央)=2016年12月、熊本市南部総合スポーツセンター
鳴海慎太郎さん

 東京五輪水球男子の志水祐介(32)=ブルボンKZ、熊本市・京陵中出=を格別の思いで応援する指導者がいる。競技を始めた熊本ジュニア水球クラブで当時監督を務めた鳴海慎太郎さん(46)=現国府高水球部監督=だ。今夏限りの現役引退を表明した教え子に「水球と出合ってくれてありがとう」。感謝の気持ちがあふれる。

 出会いは志水が中学1年の秋。先にクラブに入っていた中学の友人に誘われ、プールを訪ねてきた。鳴海さんの印象は「身長は170センチくらい。1年生にしては体格に恵まれているな」。

 泳ぎは「下手ではないが、うまくもない」。ただ一点、目を見張るものがあった。「技術を吸収する能力がすさまじかった。片手でパスを受けるまで普通の選手なら数日かかるが、すぐにやってみせた」という。

 しかし当時は部活動のサッカーとの掛け持ち。練習や試合に参加できない日もあった。中学2年になる直前、鳴海さんは思いきって選択を迫る。「水球とサッカーの両方が中途半端になるよりも、どちらかに専念した方が良い」。無理強いはせず、本人の答えを待った。しばらくして、水球を選ぶ決断を聞いた時には、思わず胸をなで下ろした。「志水をしっかり育てなければ、俺たちは熊本の恥になる」。喜びとともに責任を感じたという。

 志水も競技人生の序章を懐かしむ。「鳴海先生からたくさん学んだ。ジュニア時代の時間は自分の宝」と断言する。高校から県外に進んでも、帰熊するたび水球部のある学校を積極的に訪ね、郷土の後輩へ惜しみなく技術を伝えてきた。

 鳴海さんは「真っすぐで律義な男。わんぱくだけど、朗らかで素直な性根は出会った頃から変わらない」という。リオデジャネイロ五輪から2大会連続出場を果たした日本の至宝。そのスタートラインで背中を押したエピソードを、今も恩師は誇りにしている。(萩原亮平)

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