ランナーの聖地化めざす 金栗四三の古里・和水町 7コース設定、「山の神」動画も

熊本日日新聞 | 2021年04月18日 10:30

23日から配布を始める「和水町ランニングマップ」を手にする町職員。初級から超上級まで7コースを設定している=同町
「金栗四三ロード」を疾走する神野大地さんのバーチャルランニング動画の一場面。視界が360度広がり、一緒に走っているよう=和水町

 日本初の五輪マラソン選手、金栗四三[しそう]を生んだ熊本県和水町が、「ランナーの聖地化」に取り組んでいる。新型コロナウイルスの影響もあって町の観光客が減少する中、イベントに頼らない誘客や活性化を図る狙いで、ランナーに照準を定めている。

 町は2019年1月からNHK大河ドラマの放映と連動して、「金栗四三ミュージアム」と「金栗四三生家記念館」を開館。計約17万4千人が来館し、約6億円の経済効果を生み出した。

 ただ、ミュージアムが閉館した20年1月以降、県内でも新型コロナウイルスが感染拡大。感染防止で記念館が一時閉館したり、町や玉名市で開かれる金栗にちなんだマラソン大会が中止されたりするなど、誘客が大きな打撃を受けた。

 記念館も維持費面などを理由に、今年3月末に閉館。町はこれを機に大河ドラマによる振興策を転換し、金栗のファンやランナーを中心としたスポーツ愛好家らに愛される町づくりを目指すことにした。

 町社会教育課の前渕康彦課長は「まずは聖地と認識してもらうのが重要」と説明し、手始めに町内を巡るランニングマップを作成。初級から超上級までレベルに応じた7コース(約5~約35キロ)を町陸上競技協会の監修で設定し、沿道の風景や史跡などを観光気分で走られるようにした。

 マップは1万部作り、4月23日からコース沿いの道の駅や公民館などに置く予定。金栗の名前にちなんだ3日の“四三の日”には、ジョギングコースなどを改修した町総合グラウンドをリニューアルオープンした。

 さらに、金栗が創設した箱根駅伝の「3代目山の神」と呼ばれるプロランナーの神野大地さん(27)とバーチャルランニング動画を共同制作。町の公式ユーチューブチャンネルで公開している。

 動画は、金栗が少年時代に登下校した約6キロの「金栗四三ロード」を神野さんが疾走。視界が360度広がり、神野さんの背中を見ながら一緒に走っているような臨場感だ。神野さんが同ロードの特長を実況風に解説。これとは別に、神野さんが町の観光名所を巡るPR動画も公開している。

 神野さんは同ロードについて「傾斜やカーブの雰囲気が箱根駅伝の山上りの5区に似ている。体力づくりには最適なコース」と太鼓判。「和水町は食べ物や温泉など魅力がいっぱいで、合宿もしやすい環境。多くのランナーに訪れてほしい」と笑顔で呼び掛ける。(田中慎太朗)

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