【独自】日鉄の米訴訟、2~3月審理 日程判明、早期却下の恐れ
日本製鉄がUSスチール買収問題を巡り提訴した行政訴訟で、米裁判所が作成した審理日程が20日判明した。2月3日から書面でのやりとりが始まり、3月17日までに原告、被告側双方の主張を終える見通し。裁判所の判断は通常1~2カ月程度で下されるとみられ、早期却下となれば民事訴訟を含めた日鉄の裁判戦略が狂う恐れがある。
これまで非公開となっていた行政訴訟の訴状も併せて判明した。日鉄は訴状で「米大統領が米政府内の審査制度を操った」、「対米外国投資委員会(CFIUS)の審査は見せかけだ」などと厳しく非難した。
トランプ新大統領が20日就任し、日鉄は訴訟と、これまで買収に反対してきたトランプ氏への働きかけとの2方向で、進展を目指す。訴訟が行き詰まれば、トランプ氏との交渉の比重が高まり、日米首脳会談などでの協議も注目されそうだ。
米政府は現在、日鉄に6月18日までの買収計画の放棄を求めている。明らかになった現時点での審理日程によれば、放棄期日までに一定の結論が出ている見通しだ。