戦争トラウマ、国が初の実態調査 戦後80年の25年度に結果公開

共同通信 2024年12月28日 05:21
 厚生労働省
 厚生労働省

 太平洋戦争などで過酷な体験をした旧日本軍兵士の心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関し、国が初の実態調査を進めている。「戦争トラウマ」とされ、戦時中に軍は患者の存在を公にしなかったが、近年は学術研究や家族による証言活動が広がる。残存するカルテや資料を収集、分析し、戦後80年の2025年度に関係施設で結果を公開する方針。

 戦争トラウマはアルコール依存症や家庭内暴力の形でも表れ、当事者や周囲が苦しむことがある。旧軍病院を前身とする国立国際医療研究センター国府台病院(千葉県)のカルテなど一部の残存資料を基にした研究事例があるものの、詳しいことは分かっていない。

 国の調査は、厚生労働省所管の戦傷病者史料館「しょうけい館」が実施。ただ、対象は国から戦傷病者と認められている人で、暴力や依存症の原因が戦争トラウマではないかと最近気付いたようなケースは含まれない。カルテなどの記録がない元兵士や、家族の長年の苦労といった実態まで把握できるかどうかは不透明だ。

 戦争トラウマを巡っては、米国ではベトナム戦争の帰還兵のPTSDが社会問題化した。

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
全国のニュース 「社会」記事一覧