インドのシン前首相死去、92歳 高成長かじ取り担った「解放者」
【ニューデリー共同】インドの経済改革を推進し、2000年代の高成長のかじ取りを担ったマンモハン・シン前首相が26日、首都ニューデリーの病院で死去した。インド政府が発表した。92歳。死因は明らかにされていない。社会主義的経済を自由化し、インドをIT産業中心の躍動する新興国に育て上げ「インド経済の開放者」と呼ばれた。
現パキスタンのパンジャブ地方生まれで、インドの少数派シーク教徒。英ケンブリッジ大やオックスフォード大で学び、経済学者として名をはせ、1970年代のインディラ・ガンジー政権時代から経済政策を首相に指南した。82~85年、中央銀行であるインド準備銀行総裁に就任、90年代のラオ政権では財務相を務めた。
上院議員を経て2004年5月、国民会議派の総選挙勝利に伴い首相就任。14年5月、インド人民党のモディ氏の就任まで2期10年務めた。
日本との関係強化も進めた。首相時代に度々訪日し、年1度ペースの日印首脳会談を定着させた。14年にインド人として初めて桐花大綬章を受章した。