台帳修復、日本支援に評価 スマトラ沖地震20年
【バンダアチェ共同】大津波によりインド洋沿岸諸国で約23万人が死亡・行方不明になったスマトラ沖地震から26日で20年。最大被災地のインドネシア・スマトラ島アチェ州の州都バンダアチェでは、人口の約3分の1が犠牲になった。日本は同じ地震大国として技術や知見を共有し、水没した土地台帳の修復をはじめ復興を支援。現地では「被災後の混乱を軽減させた」と改めて評価されている。
土地台帳の修復には日本のフリーズドライ技術が使われた。腐敗が進んでいた台帳16トン分をインドネシア空軍機でジャカルタに運搬。漁港のマイナス40度のマグロ用冷凍庫で凍結させ、日本の政府開発援助(ODA)で搬入したフリーズドライ用の機械で乾燥させた。
作業を率いたのは阪神大震災後、淡路島の古文書を同様の技法で救出した紙資料修復専門家の坂本勇さん(76)だった。
原本は現在、土地庁バンダアチェ事務所に保管されている。イルファンディ所長は今年11月「泥だらけだった台帳が再びめくれて、奇跡だと思った。多くの土地争いが解決した」と説明した。