東証の元社員、違法性認識か 父の情報伝達要求、当初は断る
インサイダー取引に関わったとして、金融商品取引法違反容疑で証券取引等監視委員会に告発された東京証券取引所の元社員が当初、情報伝達を求めてきた父親に対し「東証社員だから教えられない」と断っていたことが25日、関係者への取材で分かった。違法性を認識していた可能性があり、告発を受けた東京地検が調べている。
監視委は23日、職務で知った株式公開買い付け(TOB)情報を父親に漏らしたとして東証の細道慶斗元社員(26)を、情報を基に不正に取引したとして父親正人氏(58)をそれぞれ告発した。
関係者によると、細道元社員が昨年、上場企業の適時開示を担当する、東証の上場部開示業務室配属になり、正人氏が未公表情報を伝達するよう要求。細道元社員は当初、社員であることを理由に拒否したが、その後対面やスマートフォンでTOB情報を漏えいするようになったという。
正人氏は情報を基に3銘柄の計1万5200株を約1700万円で買い付けた疑いがあり、数百万円の利益を得たとみられる。