日鉄買収阻止見通しと報道 米当局「解決に達せず」
【ワシントン共同】ロイター通信は18日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収がバイデン米政権によって阻止される見通しだと報じた。日鉄側は安全保障上の懸念払拭に向けた提案をするなどしたが、買収を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)が書簡で「(提案が)安全保障上のリスクを解決するか、まだ結論に達していない」と伝えたという。
報道によると、書簡は14日に日鉄に送られた。書簡では、日鉄側が9月以降にCFIUSと4回協議したほか、イエレン財務長官やレモンド商務長官とも電話で協議したとしている。CFIUSは書簡でUSスチールの生産設備などに向けた日鉄の投資計画が本当に実現するのかどうかなどについて懸念を示した。
USスチールは共同通信の取材に、日鉄がUSスチールへの多額の投資を約束していると強調。「USスチール単独ではこのようなことはできない」とし、買収実現を訴えた。
今年9月にはバイデン氏が買収阻止の行政命令に向けて最終調整していると報じられたが、CFIUSが日鉄による再申請を認め、審査期限を12月下旬に延長した。