技能実習で性暴力、経営者を提訴 「断れば帰国させると強要」主張
栃木県内のイチゴ農園で働いていたカンボジア人技能実習生の女性(23)が2022~23年、農園の男性経営者(58)から繰り返し性的暴行を受けて妊娠、中絶させられ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負ったなどとして、男性に計約8千万円の賠償を求めて東京地裁に16日、提訴した。女性側は「断れば帰国させる」などと脅されたと主張している。
男性は共同通信の取材に15日に応じた。性行為は同意の上だったと主張。「脅迫は一切ない」と話した。
訴状などによると、女性は22年7月から農園で働き始め、同12月~23年4月、職場などで連日性的暴行を受けた。23年1月には妊娠が判明。母国語で十分な説明を受けないまま中絶させられ、中絶後も性的暴行が続いたとしている。
女性は23年に栃木県警に被害届を提出。捜査関係者によると、男性は強制性交容疑で宇都宮地検に書類送付された。県警は証拠不十分などとして起訴を求めない意見を付けたという。女性側は「男性が罪に問われないのは納得できない」と訴えており、地検が捜査をしている。