次の運動会で活躍できそう!? くまTOMO編集室は11月30日、熊本市中央区の熊本学園大グラウンドで「親子走り方教室」を開きました。社会福祉学部ライフ・ウェルネス学科の髙橋恭平准教授と陸上競技部の学生9人が指導。くまTOMOサポーター親子ら約20組が、速く走るコツや正しいフォームを学びました。(河北希)
熊本学園大は、学びのコミュニティサイト「くまTOMO S+」に協力するパートナーの一つ。髙橋准教授は大学の陸上競技部の監督で、日本オリンピック委員会強化スタッフなどの経験を持ちます。まずは鬼ごっこで体を温め、ウオーミングアップしました。
走るときに意識すべき重要なポイントは、「地面の蹴り方」。髙橋准教授はロープと棒を落として見せ、地面からの跳ね返りの違いを示して「速く走るために必要なのは、地面に強い力を加えたときの反発力。着地する瞬間は、体を『棒』のようにしっかりと固めよう」と話しました。
早速、子どもたちも足首やひざが曲がらないようにジャンプし、正しい姿勢を確認しました。地に付かない方の足は、できるだけ高い位置から降ろし、強い力で地面をたたくようにします。「縄跳びなどを使ってジャンプの練習をしましょう。大切なのは繰り返し続けて、無意識にできるようになることです」
次に、スタートの確認。直立状態で誰かに背中を押してもらい、とっさに出た方の足を後ろに引きます。スターターの方は見ず、ピストル音に集中すること。人間は「見る」よりも「聴く」方に早く反応できるそうです。これらを踏まえ、50メートル走のタイム測定をしました。子どもも大人も全力疾走。「手と足が一緒になってるよ」「しっかり前を見て」-。髙橋准教授や学生の助言が飛びました。
バトンパスは、もらう方はできるだけ手を高くして待ち、後ろを向かずに加速するように。親子で何度も練習するにつれて、息ぴったりでつなぐ姿が増えていきました。
最後は、親子リレーでタイムを競いました。バトンパスがうまくいかなかったり、転んで悔し涙を流したりする姿も。この日、親子がじっくりと向き合い、絆が深まる貴重な機会にもなったようでした。
走るのが苦手という熊本大付属小5年の楠本悠輝さんは「最初は参加するのがちょっといやだなと思っていた。でも走り方のコツを教えてもらって、前よりも速くなれた気がする」と自信をつけた様子でした。
陸上競技部の学生からアドバイス
ポイントは楽しむこと 最後まで走り抜こう
「親子走り方教室」では、陸上競技部の学生9人がスターターやタイム記録など運営に協力し、くまTOMOサポーターたちに手取り足取り教えてくれました。日々厳しい練習を重ねている〝先輩〟から、メッセージや助言をもらいました。
3年・羽山英伸さん 教えながら、自分自身も大事なことを再確認できる良い機会となりました。走ることを「楽しい」と思うことが速くなるポイント。手足は大きく動かしましょう。
2年・五十嵐暖華さん みなさんが意欲的にいろいろと聞いてくれて楽しかったです。接地をしっかりして地面からの反発をもらうこと、そして何より最後まで諦めずに走り抜くことが上達のコツです。
1年・江上乃愛さん 努力した分だけ結果が出るのが陸上の楽しさ。ただ、思うようにならない時だってあります。気持ちの切り替えが大事で、あきらめてはいけません。全力でゴールを目指してほしいです。
2年・赤木要太さん 速く走るためには基礎練習が大切で、走り込みは練習法の一つ。自転車を使って回転力を高める練習も効果的です。「自分との闘い」は苦しみもあるけど、仲間と一緒に走るのが楽しいです。
参加者の声
ぼくは走ることが好きです。でも運動会では2位でした。だから走り方教室にさんかしました。はやく走るためには、地めんにぼうになって着くといいことがわかりました。足がはやくなったので来年の運動会は1位になります!(熊本市立城西小2年、市川秀さん)
「スタートのフォームは、立ち姿勢から背中を軽く押した時に出た足を後ろに引いてスタートする」。完全に反対にしていました。バトンパスの練習で左手でバトンを受けるときの注意点では「自分の足幅20足分地点から前を向いて走り出す」。左手で受けるのですが、手が半回転してしまう癖がありました。これが原因で転んでしまいました。恭平先生、学生の方の手厚い指導のおかげで良い勉強になりました。(合志市立南ケ丘小2年、木下陽翔さんと保護者)
先生の話が分かりやすくて、一人でも練習ができるものが多くて良かったです。大学生のお兄さんお姉さんも親切でした。(熊本市立健軍東小2年、上原義久さん)
足をまっすぐ棒にして地面を蹴ることが早く走るコツと聞いたのでこれからやってみます。親子バトンパスはスピードやタイミングが難しかったけど楽しかったです。(熊本市立武蔵小6年、硯川聡美さん)
子どもだけの走り方教室はあるのですが、大人になって、短距離を気軽に習える機会がなかなかないので、今回は、親子で参加できとても楽しかったです。走り方、用意の時のポーズ、バトンパスを教えていただき、とてもためになりました。特に用意の時に、左右のどちらの足を前に出すべきなのか、疑問に思ったことがなかったので、目からうろこでした。バトンパスで、もらう側が走り出すタイミングも具体的で、とても分かりやすかったです。先生だけでなく、学生の方のサポートもあり、とてもありがたかったです。(熊本大付属小1年、佐藤耕咲さんの保護者)
今まで走るのが苦手で嫌でしたが、走り方教室に行って、走るコツを教えていただき、少しだけ自信をつけることができました。(熊本大付属小5年、楠本悠輝さん)
スタートの利き足、リレーのバトンパスの歩数のとりかたをわかりやすく教えていただきありがとうございました。また機会がありましたらランニングフォームの指導をよろしくお願いします。(熊本市立東町小5年、村田咲希さん)
速く走るために「棒になること」が意外に難しかったです。走るのが遅く、走ること自体は好きではありませんが、リレーの練習が楽しかったです。母と娘2人っきりの貴重な時間でした。(西原村立山西小5年、秋吉千晴さんの保護者)