夜行性、昼は「浮き寝」　池の冬鳥カモ　＜KUMAMOTOとりさんぽ＞

　秋あきの深ふかまりを感かんじながら、鳥ちょう獣じゅう保ほ護ご区くに指し定ていされている宇う城き市しのため池いけを訪おとずれました。水すい面めんには冬ふゆ鳥どりのカモたちがいました。野や鳥ちょうの大おおきさは、くちばしから尾お羽ばねの先さきまでを全ぜん長ちょうとしますので、この日ひ出で会あったカモを想そう像ぞうしてください。

　まず最さい初しょはカルガモです。全ぜん長ちょう60.5センチの大おお型がたのカモで、茶ちゃ色いろの体からだにくちばしの先さきだけが黄き色いろです。一いっ般ぱん的てきにカモのオスは、冬ふゆに美うつくしい繁はん殖しょく羽うに換かん羽うし、メスは地じ味みな色いろのままです。私わたしたちは、冬ふゆに派は手でな装よそおいになるカモたちを迎むかえることができるのでとてもラッキーなのです。しかしカルガモは、オスもメスも一いち年ねん中じゅうおなじ色いろです。「グェッグェッ」と鳴なきますので、聞きいたことがある人ひともいると思おもいます。多おおくは冬ふゆ鳥どりですが、近きん年ねんは少しょう数すうが熊くま本もとに残のこって夏なつに子こ育そだてをする個こ体たいもいます。私わたしも街まち中なかでカルガモ親おや子こに出で会あったときは驚おどろきました。

　次つぎは全ぜん長ちょう59センチのマガモです。よく知しられているカモで、オスは頭あたまから首くびまでが金きん属ぞく光こう沢たくを放はなつ緑みどり色いろですので「青あおくび」とも呼よばれます。尾お羽ばねの先さきがカールしているのが見みえると幸しあわせな気き分ぶんです。

　ヒドリガモは全ぜん長ちょうが48.5センチの中ちゅう型がたのカモです。オスは頭とう頂ちょうがクリーム色いろで、胸むねまでが濃こい赤あか（緋ひ色いろ）ですので「緋ひ鳥どり鴨がも」の名ながついています。「ピューン」と甲かん高だかい声こえで鳴なきます。10月がつ末まつに飛ひ来らいしたときは、オスもメスも地じ味みな茶ちゃ色いろで区く別べつは難むずかしいです。このオスの羽はねをエクリプス（非ひ繁はん殖しょく羽う）と言いいます。

　木こ陰かげからオシドリが出でてきました。全ぜん長ちょうは45センチで、オスの美うつくしい赤あかや白しろ、緑みどりとオレンジ色いろのイチョウ羽ばねに目めを奪うばわれました。メスの目めから延のびる白しろいラインも愛あいらしく思おもえます。昔むかしから「オシドリ夫婦ふうふ」とよばれて親したしまれています。

　最さい後ごは小こ型がたのコガモです。全ぜん長ちょうは37.5センチで、目めの周まわりが緑みどり色いろです。運うんがよければお尻しりに黄き色いろい三さん角かく模も様ようが見みえます。これから1月がつにかけては、1羽わのメスを数すう羽わのオスが囲かこんで「ピリッピリッ」と鳴なきながら円えんを描えがいてダンスをします。するとメスは、美うつくしい羽はねを見みせて上じょう手ずに踊おどるオスを結けっ婚こん相あい手てに選えらぶようです。

　私わたしたちが内ない陸りくで見みかけるカモは草そう食しょく性せいですので、昼ひる間まは藻もや草くさを食たべたり、水すい面めんで「浮うき寝ね」をしています。夕ゆう方がたになると湿しっ地ちなどに飛とんでいき、本ほん格かく的てきに餌えさをとる夜や行こう性せいの生せい活かつをします。あなたもカモたちの生せい活かつを、ちょっとのぞいてみませんか。（日に本ほん野や鳥ちょうの会かい熊くま本もと県けん支し部ぶ長ちょう・田た中なか忠ただし）