熊本県内の企業倒産は41件 2024年度上半期、3年連続増 「大企業との業績の二極化が鮮明」

熊本日日新聞 2024年10月7日 17:59
熊本県内の企業倒産は41件 2024年度上半期、3年連続増 「大企業との業績の二極化が鮮明」

 東京経済熊本支社が7日発表した2024年度上半期(4~9月)の県内企業倒産件数(負債額1千万円以上)は41件で、前年同期に比べ2件増えた。増加は3年連続。負債総額は23・1%減の35億6300万円で2年連続の減少だった。負債額10億円以上の大型倒産は前年に続いてなかった。

 業種別では飲食店などサービスが15件で最多。建設8件、卸売り6件などが続いた。卸売りは前年同期に比べて5件増え、仕入れ価格の上昇分を販売価格に転嫁できず事業停止に至るケースが目立った。原因別では、売り上げ不振や赤字累積といった「不況型倒産」が35件を占めた。

 新型コロナウイルス関連の倒産は17件で、5件減った。売り上げがコロナ禍前に戻らず、借入金の金利負担が増して事業継続を断念した事例もあった。

 東京経済熊本支社は、県内の最低賃金が時給952円に引き上げられ、特に中小・零細企業で人件費の上昇が収益圧迫の要因になりかねないと指摘。「大企業との業績の二極化が鮮明になっている。値上げによる消費マインドの低下も懸念され、資金需要が高まる年末にかけて倒産が増える可能性がある」と見通した。

 9月単月の倒産は前年同月比6件増の9件、負債総額は5・4倍の7億6700万円。従業員9人以下の企業の倒産が8件だった。

 帝国データバンク熊本支店が発表した24年度上半期の法的整理件数は前年同期から横ばいの40件、負債総額は23・5%減の35億8千万円だった。(立石真一)

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
熊本の経済ニュース