熊本県内の企業倒産は41件 2024年度上半期、3年連続増 「大企業との業績の二極化が鮮明」
東京経済熊本支社が7日発表した2024年度上半期(4~9月)の県内企業倒産件数(負債額1千万円以上)は41件で、前年同期に比べ2件増えた。増加は3年連続。負債総額は23・1%減の35億6300万円で2年連続の減少だった。負債額10億円以上の大型倒産は前年に続いてなかった。
業種別では飲食店などサービスが15件で最多。建設8件、卸売り6件などが続いた。卸売りは前年同期に比べて5件増え、仕入れ価格の上昇分を販売価格に転嫁できず事業停止に至るケースが目立った。原因別では、売り上げ不振や赤字累積といった「不況型倒産」が35件を占めた。
新型コロナウイルス関連の倒産は17件で、5件減った。売り上げがコロナ禍前に戻らず、借入金の金利負担が増して事業継続を断念した事例もあった。
東京経済熊本支社は、県内の最低賃金が時給952円に引き上げられ、特に中小・零細企業で人件費の上昇が収益圧迫の要因になりかねないと指摘。「大企業との業績の二極化が鮮明になっている。値上げによる消費マインドの低下も懸念され、資金需要が高まる年末にかけて倒産が増える可能性がある」と見通した。
9月単月の倒産は前年同月比6件増の9件、負債総額は5・4倍の7億6700万円。従業員9人以下の企業の倒産が8件だった。
帝国データバンク熊本支店が発表した24年度上半期の法的整理件数は前年同期から横ばいの40件、負債総額は23・5%減の35億8千万円だった。(立石真一)
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