アサリものりも… 熊本県内の海面漁業者 2166経営体で過去最少に 5年で23%減 2023年漁業センサス 中高年世代中心に廃業加速
九州農政局が取りまとめた2023年漁業センサス(一斉調査)の九州各県の概要によると、海で漁業を営む熊本県内の漁業者は2166経営体で過去最少となった。5年前の前回調査から23・4%減少。資材高といった厳しい経営環境が続き、中高年世代を中心に海面漁業者の廃業が加速している現状が浮かんだ。
漁業者の現状を統計値で示すセンサスは5年ごとに実施。今回は23年11月1日時点で整理した。熊本の海面漁業者の減少幅は九州平均の19・3%よりも大きかった。
熊本県内の経営体はピークだった1963年の1万4535と比べ85・1%も減少。直近の20年でも経営体は3030減っている。数の落ち込みは全国的な傾向で、熊本の経営体数は都道府県で9番目に多く、前回調査と順位は変わらなかった。
漁業種別では、アサリなどの「採貝・採藻」が前回調査から31・5%減って456経営体。「のり類養殖」は296経営体となり、300を割り込んだ。
年間30日以上、海面漁業に従事する就業者は23・6%減って4118人。15~29歳は5・4%減だったのに対し、50~59歳は31・0%減、60~64歳は37・5%減となった。
九州全体の海面漁業経営体は1万5168経営体、漁業就業者数は2万9514人で、いずれも前回調査より20%前後減った。熊本と同様に50~69歳の減少が目立ち、九州農政局経営・構造統計課は「廃業する漁業者が中高年世帯でも増えている」との見方を示している。(馬場正広)
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