自転車通学「ヘルメット着用を」 熊本市、モデル校認定で浸透図る 高校生らの着用率は3%
熊本市は、自転車の交通安全に取り組む学校を市独自の「自転車安全利用モデル校」に認定し、ヘルメット着用率を高める活動に力を入れている。自転車での着用は努力義務となったが、通学で利用する市内の高校生らの着用率は3%程度にとどまっている。市はモデル校での普及を足掛かりに、着用の浸透を図る。
モデル校の認定制度は2023年度にスタート。市内にある小中高校、特別支援学校などを対象に申請を受け付け、24年7月までに真和、熊本西、必由館、千原台、熊本工、熊本農、第一の高校7校を認定した。
市は各モデル校にヘルメット30~50個を提供。学校は希望者に貸したり、校内に展示したりして普及を図るほか、県警と協力した交通安全標語の作成、自転車事故の当事者による講演会などを実施している。
市は22年10月、道交法改正に先行して自転車利用者のヘルメット着用を条例で努力義務化した。ただ市内5カ所の主要路線での調査によると、24年6月の着用率は8・1%。高校生ら通学者に限ると2・9%と低迷している。高校生を対象にしたアンケートでは「かぶるのが面倒」「髪形が崩れる」といった声が上がった。
市内の自転車関連事故は増加傾向にあり、市自転車利用推進課は「高校は安全教育に関する時間の確保が難しいこともあり、着用率を飛躍的に上げるためのハードルは高い」と説明。モデル校を徐々に増やし、命を守るヘルメット着用への理解を広げたい考えだ。(臼杵大介)
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