イデックスリテール熊本(大津町)、バイオディーゼル燃料の取り扱い開始 TSMC工場建設などでの利用視野
熊本県内12カ所でガソリンスタンドを運営するイデックスリテール熊本(大津町)は8月から、環境に優しいとされるバイオディーゼル燃料(BDF)の取り扱いを大津町の拠点で始めた。建設現場での脱炭素に取り組む建設会社の需要があるとみて、導入を決めた。
BDFは天ぷら油などの植物性の廃油から作られる。原料となる植物が成長する過程で二酸化炭素(CO2)を吸収することから、燃焼時のCO2排出量は実質ゼロとみなされる。環境に配慮した燃料として、さまざまな分野で使われている。
イデックスリテール熊本が取り扱っているのは、軽油にBDFを5%混ぜた「B5」と呼ばれる種類。軽油の品質を定める法律に適合しており、事業者は軽油と同じように使える。B5を製造・販売している東光ホールディングス(熊本市)から供給を受け、「ホンダ工場前サービスステーション」(大津町)に隣接する配送センターに専用タンクを設けた。
B5の価格は軽油より3割程度高いため、燃料の消費が比較的少ない建設機械での利用を想定している。イデックスリテール熊本によると、菊陽町のTSMC第1工場の建設では、建設会社が一部のショベルカーの燃料にB5を使ったという。TSMC第2工場建設のほか、周辺の住宅建設といった工事現場での利用も視野に入れる。
イデックスリテール熊本の田中貴志社長は「(温室効果ガス排出量を実質ゼロにする)カーボンニュートラルを目指す建設会社をサポートしたい」と話した。(田代智也)
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