小さい小さいじいじの畑 作・佐賀由美子 <くまにち童話>

熊本日日新聞 2024年7月26日 17:00

 「じいじ、これなあに? なにができるの?」。ちいさいちいさいはたけゆびさしてたずねるりょうちゃんに、じいじは「さいこうにあまくておいしいものができるんだよ」とがおこたえました。

 もうすぐ3さいになるりょうちゃんは、さいだいにがでした。じいじはさいのおいしさをつたえたくて、ちいさいちいさいはたけにミニトマトをえました。もちろん、りょうちゃんにはないしょです。

 まいにちさんちゅう、じいじとりょうちゃんは、いっしょみずやりをしました。ママにってもらったいろいぞうさんのじょうろを、ちいさなにぎりしめてさんくのが、おまりになりました。

 「ぐんぐんのびて、おいしくなあれ。でっかくそだて」と、じいじはいつもうたいながらみずやりをしました。りょうちゃんも、じいじにけじと、ようえんおぼえたうたうたいながらみずやりをしました。「いっぱいはなしかけてたいせつそだてると、どんどんおいしくなるよ」とじいじにおしえてもらうと、そのようえんおぼえたことやたのしかったことも、ぶりぶりをまじえながらはなしかけました。

 やがてくきがのび、っぱがえて、はなきました。りょうちゃんは、まだミニトマトであることをりません。「なにができるのかな。なにいろかなあ。だいきなバナナのあじならいいな」とそうぞうしていました。

 まいにちまいにちみずをやって、うたったりはなしかけたりしていたので、けばっぱやはなが、りょうちゃんにとってたいせつともだちのようにおもえてきていたのでした。

 そのもいつものように、じいじとさんちゅうはたけりました。すると、つやつやとかがやくまっかながなっているではありませんか。そこではじめて、りょうちゃんはミニトマトであることをりました。
 「わあ。きれいなあかいろ。あまいかなあ」。まえさいは、りょうちゃんにとってはたいせつともだち。おいしくないわけがありません。ミニトマトをくちれたりょうちゃんのかおは、バナナをべるときおながおでした。

 それからも、ちいさいちいさいじいじのはたけは、ピーマン・ナス…いろんなさいをつけ、りょうちゃんをがおにするのでした。(さくしゃくまもとけんじょうきんしょくいん・62さい

絵・西小路修一
絵・西小路修一

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