阿蘇でにぎわう夏鳥たち <KUMAMOTOとりさんぽ>

熊本日日新聞 2024年7月19日 17:00
心なごむ〝歌声〟が特徴のカッコウ
心なごむ〝歌声〟が特徴のカッコウ

 ひょうこう800メートルのがいりんざんは、おんが30なつでもこうげんかんじるみどりにおおわれ、はだすべかぜそうかいです。「カッコウ カッコウ」のこえとおくにきながらそうげんみちあるくと、とつぜんまえをカッコウがりました。ハトくらいのおおきさでながく、つばさもとがっているのでタカのようにえます。

ほっぺが赤いホオアカ
ほっぺが赤いホオアカ

 またそうげんとくちょうてきちょうに、ホオアカがいます。まえとおりほおがあかっぽいちゃいろをしたスズメくらいのおおきさです。さえずりはややかんだかくて、「ちょきんちょびちょび」とこえます。「もしかするとおかねたいせつさがわかっているのでは」と、ついがおになります。そうがんきょうでよくると、くろいよだれかけにあかいエプロンまでかけていて、かわいらしくえます。そうげんではよくかけますが、じつはちょうちょうで、くまもとけんでは「ぜつめつのおそれのあるいきたいぐん」にていしています。

草原で〝ジャズ〟を奏でるコヨシキリ
草原で〝ジャズ〟を奏でるコヨシキリ

 おなじくそうげんなつどりコヨシキリもとてもちょうです。スズメよりちいさなからだですが、ビーだまたりあうようなふくざつだいおんりょうのさえずりをつづけますので、まるでジャズおんがくいているようです。ちかづいてると、しろまゆうえくろいラインがはいっていて、かおちがはっきりしています。

「行々子」と鳴くオオヨシキリ
「行々子」と鳴くオオヨシキリ

 コヨシキリよりすこおおきなオオヨシキリもそうげん湿しっかけます。とてもよくていますが、うえくろラインがないことと、とくちょうてきごえの「ギョギョシ ギョギョシ」でわかります。はいかいではこの「ぎょうぎょう」がなつになります。かれらはけんないかくにもせいそくするなつどりですので、っているひとおおいとおもいます。

鳳凰を思わせるサンコウチョウ
鳳凰を思わせるサンコウチョウ

 はやしはいると、「つきほしホイホイホイ」とながれるようなはやくちのさえずりが、みみんできました。なんとサンコウチョウです。つきほしみっつともにひかるので「さんこうちょう」のがつけられました。わたしはじめてったのは、だいがくそつぎょうろんぶんのうがくえんしゅうりんあるきながらちょう調ちょうをしていたときでした。45ねんまえのことですが、うすぐらはやしなかでスズメくらいのおおきさのからだの2ばいもあるながを、ゆうらしながらんだ姿すがたいまでもせんめいおぼえています。のまわりのリングはあおじろこうたくはなち、そのうつくしさにりょうされたわたしには、びょうどういんきょう)のほうおうおもかびました。なかなかかけるチャンスはありませんが、えたときにはこころおどります。みなさんもすてきないをもとめて、ぞくこうげんかけませんか。(ほんちょうかいくまもとけんちょうなかただし

草原が色鮮やかな夏の阿蘇外輪山と阿蘇市
草原が色鮮やかな夏の阿蘇外輪山と阿蘇市

学びの止まり木

カッコウたちのたくみな戦略せんりゃく


 ほんそだてをするカッコウのなかなつどりで、ほかにホトトギスやツツドリ、ジュウイチがいます。姿すがたがよくていて、にとまるとふくよこしまようほそいか、ふといか、あらいかなどのちがいはありますが、れないとしきべつむずかしいです。ところがオスがなわばりをしゅちょうしたり、メスをもとめてこえせいてきで、だれにでもすぐにわかります。ホトトギスはむかしから「とっきょきょきょく」ときなされ、ツツドリはたけづつのひらでつ「ポポ ポポ」にこえ、ジュウイチはそのとおり「ジュウイチー」とさけびます。
 さらにカッコウのなかは、むしえさにするとりたまごれるたくらんをします。たくらんあいは、カッコウがオオヨシキリ、ホトトギスがウグイスなどで、しゅごとにあいちがせんりゃくをとってかりおやにヒナをそだててもらいます。せきにんにもおもえますが、つねにちかくでまもりながらパトロールをつづけます。たくらんゆうは、たいおんたものうりょくひくいからではないかとかんがえられています。
 そのようなカッコウのなかは、むかしからトケンるいばれてきました。かんでは「けん」とき、「ほととぎす」ともみます。じつはホトトギスは、2000ねんほんちょうるいもくろくだい6はんでカッコウへんこうされました。今年ことしだい8はんしゅっぱんていで、ちょうるいけんきゅうにもとづいてほんちょうがっかいかいていします。

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