「交通安全」誓って700回 熊本市の文徳中・高 1965年の生徒死亡事故受け、毎月追悼
熊本市西区の文徳中・高校は、59年前に在校生が交通事故で亡くなった命日を「学校交通安全日」と定めて毎月、全校生徒で交通安全への意識向上に努めている。取り組みを始めて以降、生徒の交通死亡事故は起きていない。700回目を迎えた17日、生徒らは亡くなった先輩を追悼し、交通ルールの徹底を改めて誓った。
事故は1965年3月17日の朝に発生した。自宅からミニバイクで最寄り駅に向かっていた高校1年生の男子生徒が、三輪トラックと衝突して亡くなった。学校は「二度と悲劇を繰り返さないために」と、翌66年4月17日に交通安全日の取り組みを始めた。
700回目は、授業前の午前8時35分に高3で生徒会長の中野友太さんが、校内放送でメッセージを発信し、「夏休みは気が緩みがちです。ルール、マナーを守り、命を守る大切さを考えて楽しく過ごしましょう」と呼びかけた。中高の全校生徒約1200人は各教室で黙とうした。
ヘルメットをかぶって自転車で登校している高1の西島美桜さんは「高校は通学距離も長くなり、事故に遭いそうになったこともある。月に1度、みんなで気持ちを一つにすることで命を守る意識が強くなり、周囲をしっかり確認して運転するようになった」と取り組みの効果を説明した。
宮田仁之教頭は「自分の命や交通ルールを守ることは、生徒が学校を卒業してからも大事になる。生徒の安全を守るため、取り組みを続けていきたい」と話した。(後藤幸樹)
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