【独自】熊本市役所新庁舎、桜町に 市議会提示へ最終調整 利便性高く、早期着工が可能

熊本日日新聞 2024年6月17日 05:00
熊本市役所本庁舎の建て替え場所の適地として、市が最終調整を進めているNTT西日本「桜町ビル」(中央下)。奥はサクラマチ クマモト=15日、熊本市中央区(ドローン撮影、上杉勇太・馬場正広)
熊本市役所本庁舎の建て替え場所の適地として、市が最終調整を進めているNTT西日本「桜町ビル」(中央下)。奥はサクラマチ クマモト=15日、熊本市中央区(ドローン撮影、上杉勇太・馬場正広)

 耐震性能不足が指摘されている熊本市役所本庁舎の建て替え場所として、市が候補地とした4カ所のうち、「サクラマチ クマモト」に隣接するNTT西日本の所有地(中央区桜町)を適地として、市議会に提示する方向で最終調整していることが16日、関係者への取材で分かった。現在、所有地にあるのは空きビルで早期の工事着手が可能なことや、バスターミナルと近い利便性の高さなどを考慮して判断したもようだ。

 大西一史市長が24日、市議会の特別委員会で説明する。大西氏は27日までの6月定例会の会期中に建て替え場所の選定案を示し、8月中の決定を目指す意向を表明していた。2016年の熊本地震を機に検討が始まった本庁舎の建て替えが具体化する。

 市は今年3月に公表した基本構想の素案に、現庁舎敷地、城東町の日本郵便九州支社、NTT西日本の「桜町ビル」が建つ敷地、草葉町の白川公園の4カ所の候補地を明記した。

 桜町の利点として、素案は▽現在は空きビルで早期の解体・建設工事着手が可能▽桜町バスターミナルに隣接し、利便性が非常に高い▽移転の際の仮設庁舎が不要-などを挙げていた。

【独自】熊本市役所新庁舎、桜町に 市議会提示へ最終調整 利便性高く、早期着工が可能

 NTT西日本(大阪)は20年11月、桜町ビルに入居していた熊本支店などを九品寺に移転させた。ビルは解体して跡地にホテルやオフィスなどが入る複合ビルを建設する計画だったが、新型コロナウイルス禍の影響で、3年半以上にわたって解体されずに空きビルとなっていた。

 NTT西日本はこれまでの熊本日日新聞の取材に「市から庁舎移転の候補地の一つとして話を頂いているのは事実」と回答。「NTTグループによる地域貢献の観点から跡地利用の在り方を幅広く考えていく」とした。

 一帯は市が「シンボルプロムナード」と位置付けており、新庁舎建設では熊本城天守閣への眺望の確保や景観上の配慮が求められる。現庁舎内にある中央区役所を分離するかどうかも焦点となる。さらに、現庁舎跡地の利活用も今後の検討課題となる。

 市は建て替えの財政負担が軽減できる合併推進債の活用を考えている。期限に間に合うよう、基本計画、基本設計、実施設計を一括発注する経費を盛り込んだ予算を9月定例会に提案する方針。

 現庁舎は1981年10月に完成した。市は熊本地震後に実施した調査の結果、現行の建築基準法などが求める耐震性能を有していないと判断。大西氏は2023年6月、有識者会議の答申を踏まえて建て替え方針を表明した。(臼杵大介、立石真一)

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